セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭-悪性疾患2

タイトル 消P-26:

食道癌治療におけるFDG-PET検査の意義と位置づけ

演者 猪瀬 崇徳(群馬大大学院・病態総合外科学)
共同演者 宮崎 達也(群馬大大学院・病態総合外科学), 鈴木 茂正(群馬大大学院・病態総合外科学), 田中 成岳(群馬大大学院・病態総合外科学), 酒井 真(群馬大大学院・病態総合外科学), 佐野 彰彦(群馬大大学院・病態総合外科学), 横堀 武彦(群馬大大学院・病態総合外科学), 家田 敬輔(群馬大大学院・病態総合外科学), 宗田 真(群馬大大学院・病態総合外科学), 中島 政信(群馬大大学院・病態総合外科学DELIMITER獨協医大・1外科), 深井 康幸(群馬大大学院・病態総合外科学), 増田 典弘(群馬大大学院・病態総合外科学), 福地 稔(群馬大大学院・病態総合外科学), 尾嶋 仁(群馬大大学院・病態総合外科学), 加藤 広行(獨協医大・1外科), 桑野 博行(群馬大大学院・病態総合外科学)
抄録 【目的】我々は食道癌診療において広くFDG-PET検査を活用してきた。食道癌治療におけるFDG-PET検査の意義について検討を行ったので報告する。【対象と方法】(1)従来の画像診断と比較したPET検査の貢献度として、1999年以降に当科で診療を行った食道癌149例(手術101例、非手術48例)に対しCT検査に加えPET検査により診断精度を高めるかを検討した。(2)術前無治療で、食道切除術を施行した食道癌167症例を対象に、前期(117例)のPETおよびCT検査と後期(50例)のPET/CT検査とのリンパ節転移診断を比較検討した。(3)術前無治療で食道切除術を施行した食道癌184症例を対象に、主病変のSUV、最も高いSUV値、リンパ節へのFDG集積個数によって予後の推測ができるかどうかを検討した。【結果】(1)FDG-PETの導入により14%にre-stagingが認められた(up-staging 9%、down-staging 5%)。(2)個別のリンパ節群診断では、CTで感度27%、特異度98%、精度91%であった。PETではそれぞれ33%、 99%、93%で、PET/CTでは46%、99%、95%であった。PET/CTで検出した最小リンパ節転移巣の大きさは6mmであった。部位別のリンパ節転移診断ではPET/CTでは頸部と下縦隔の感度がCTに比べ高く、下縦隔の感度はPETよりも良好であった。(3)主病変のSUV値、最も高いSUV値、リンパ節へのFDG集積個数は予後との相関がみられた。PETでリンパ節に3個以上のFDG集積がみられた症例は、病理検査上リンパ節転移を5個以上に認め、予後は極めて不良であった。【結語】FDG-PET検査は、保険適用もあり、今後広く普及し、重要な画像診断の一角を担うことが予想される。食道癌においてPET/CTによるリンパ節転移診断は他の検査よりも良好であったが、未だ十分に満足できるものではなかった。しかしながら、PET検査でSUVおよびリンパ節へのFDG集積個数は予後因子マーカーになる可能性が示唆された。
索引用語 食道癌, FDG-PET