セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭-悪性疾患2

タイトル 消P-28:

食道癌のリンパ節転移診断におけるPET‐CT検査の有用性の検討

演者 山本 富美子(名古屋大大学院・消化器内科学)
共同演者 宮原 良二(名古屋大附属病院・光学医療診療部), 舩坂 好平(名古屋大大学院・消化器内科学), 坂野 閣紀(名古屋大大学院・消化器内科学), 古川 和宏(名古屋大大学院・消化器内科学), 立松 英純(名古屋大大学院・消化器内科学), 坂巻 慶一(名古屋大大学院・消化器内科学), 鶴留 一成(名古屋大大学院・消化器内科学), 大野 栄三郎(名古屋大附属病院・光学医療診療部), 川嶋 啓揮(名古屋大大学院・消化器内科学), 伊藤 彰浩(名古屋大大学院・消化器内科学), 大宮 直木(名古屋大大学院・消化器内科学), 廣岡 芳樹(名古屋大附属病院・光学医療診療部), 渡辺 修(名古屋大大学院・消化器内科学), 前田 修(名古屋大大学院・消化器内科学), 安藤 貴文(名古屋大大学院・消化器内科学), 後藤 秀実(名古屋大大学院・消化器内科学DELIMITER名古屋大附属病院・光学医療診療部)
抄録 【背景と目的】食道癌において正確なリンパ節転移診断をすることは、最適な治療を選択する上で極めて重要である。今回、食道癌リンパ節転移診断におけるPET-CT検査(以下PET)の有用性について検討を行った。【対象と方法】2009年1月から2010年12月までの間に、PETを施行した後に外科手術を行った25症例26病変を対象とした。CTや手術後の病理診断と対比して、術前PETによるリンパ節転移診断の有用性を検討した。【成績】症例は男性20例(2病変症例が1例)、女性5例で、年令中央値は62.5歳(40‐80歳)であった。PETでリンパ節転移と指摘した10例のうち、病理学的に転移を認めたものは7例であった。疑陽性の3例の要因として、1例は糖尿病が影響している可能性が考えられ、1例はCT検査で同部位に石灰化があり、何らかの炎症性変化を捉えていたと考えられた。残る1例は原発巣への集積であった可能性が考えられた。病理学的にリンパ節転移を認めたものは11病変(2病変症例1例)で、PETで指摘されなかったものは4例。偽陰性の要因としては、1例は糖尿病が影響した可能性、2例は原発巣への集積と読影された可能性、残る1例はリンパ節のサイズが小さく検出できなかった可能性が考えられた。リンパ節転移における感度と特異度は、PETで63.6%と80%、CTで54.4%、60%であった。術前後で進行度の変化があったものは15例であった。8例で術後に進行度が進み、全てでN因子が関与した。7例で down stageし、T因子の関与が5例、N因子の関与が2例であった。7例中5例はstage0でESDが可能な症例であった。【結論】PETは、CTに比し特異度が高く、リンパ節転移診断に有用であると考えられた。精度を落とす要因としては、基礎疾患やリンパ節の大きさの関与が示唆された。文献的考察を加え、これを検討する。
索引用語 PET-CT検査, 食道癌