セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭-悪性疾患2

タイトル 消P-29:

治療後繊維化を伴う遺残・再発表在食道がんに対する内視鏡的粘膜切除術症例の検討

演者 西崎 朗(兵庫県立がんセンター・消化器内科)
共同演者 山本 佳宣(兵庫県立がんセンター・消化器内科), 櫛田 早絵子(兵庫県立がんセンター・消化器内科), 寺島 禎彦(兵庫県立がんセンター・消化器内科), 津村 英隆(兵庫県立がんセンター・消化器内科), 奥野 真紀子(兵庫県立がんセンター・消化器内科), 坂本 岳史(兵庫県立がんセンター・消化器内科), 飛松 和俊(兵庫県立がんセンター・消化器内科), 津田 政広(兵庫県立がんセンター・消化器内科), 井口 秀人(兵庫県立がんセンター・消化器内科)
抄録 (目的)治療後繊維化を伴う表在食道癌症例に対する内視鏡的粘膜切除術(ER;EMRとESDを含む)の効果と安全性につき予後を含め検討した。(対象)放射線治療後11例、術後ないしER後瘢痕6例計17例。M:F=16:1。ER時年齢50-85歳(中央値63歳)病期はすべてI期、なおRT例はRT時病期 I:II:III:IV=7:2:1:1、RT前推定深達度m1-m2:m3-sm1:sm2-3:mp-=1:2:4:4、治療法RT:CRT=5:6、照射量 50-59:60-69:70-=2:8:1(中央値60G)、治療効果 CR:IR/SD=7:4、RT後ERまでの期間;4ヶ月ー5年3ヶ月(中央値8ヶ月)であった。ER選択理由は患者選択:低肺機能:高齢=15:1:1、治療方法はEMRC:EEMR:ESD=5:3:10(重複あり)、ER時形態; IIaIIc:IIa:IIb:IIc=2:1:4:10、病変径;8-26mm(中央値20mm)、推定深達度;m1-m2: m3-sm1:sm2=13:3:1(方法)ESDはflushナイフを中心に使用し、周辺の局注挙上部分よりC字に粘膜切開した。粘膜下層が良く視認できる部分から、筋層に水平方向に粘膜下層繊維化部分を剥離した。(結果)一括切除:分割切除=13:4(一括切除76%)、完全切除:不完全切除=12:5(完全切除率71%)、深部断端陰性:不明=15:2。2例脈管侵襲陽性例があった。側方断端陽性例は追加ER施行、偶発症;狭窄3例(内1例難治性)、出血穿孔なし、経過観察期間 3ヶ月ー9年7ヶ月(中央値2年4ヶ月)、観察期間中の局所制御 17例/17例(100%)でCR12例、異時多発2例、遠隔転移2例、他癌死2例。遠隔転移例は脈管侵襲陽性例であった。(考案)治療後繊維化食道病変でも、表在病変と推定できればERは可能で安全に行いうる。切除端陰性・脈管侵襲陰性例であれば長期予後が期待できる。(結論)ERは治療後繊維化を伴う遺残再発および異時性多発食道がんに対する低侵襲の救済治療のひとつと成りうる。
索引用語 再発食道癌, 内視鏡治療