セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭-悪性疾患3

タイトル 消P-32:

当院における食道表在癌に対する根治的化学放射線療法の治療成績

演者 池田 光憲(近畿大奈良病院・消化器外科)
共同演者 藤原 由規(近畿大奈良病院・消化器外科), 井上 啓介(近畿大奈良病院・消化器外科), 岩間 密(近畿大奈良病院・消化器外科), 木谷 光太郎(近畿大奈良病院・消化器外科), 中山 剛之(近畿大奈良病院・消化器外科), 村田 賢(近畿大奈良病院・消化器外科), 湯川 真生(近畿大奈良病院・消化器外科), 岡嶋 馨(近畿大奈良病院・放射線科), 井上 雅智(近畿大奈良病院・消化器外科)
抄録 【はじめに】食道表在癌の治療方針はESD、食道切除術、化学放射線療法(CRT)と多岐にわたる。M1,2癌はリンパ節転移は極めて稀でありESDの良い適応であるが、M3、SM1癌では約10%の、またSM2,3癌では30-40%のリンパ節転移を認めると言われており治療方針選択に難渋することが多い。【目的】今回我々は、食道表在癌(M3以深)に対して根治的化学放射線療法を行った症例について、その治療成績を検討した。【対象及び方法】2004年9月より2010年12月までに経験した食道表在癌症例8例。全てM3及びT1b、M0で、N0:6例、N1:2名であった。放射線照射は2Gy/回×30回=計60Gyとし、併用化学療法はHigh-dose FP(5-FU:700mg/m2:day1-5、CDDP: 70mg/m2:day1、計2クール)が5名、low-doseFP(5-FU:250-500mg/body/day,day1-5×4週、CDDP: 10mg/body、day1-5×4週)が3名であった。治療効果判定は内視鏡所見、造影CTで行った。【結果】全例で60GyのCRTが完遂可能であった。原発巣及び転移リンパ節に対する奏功率は100%であった。また、副作用としてはGrade2の放射線食道炎1例、Grade3の白血球低下を3例に認めた。1例が脳および骨転移で再発死亡し、1例が局所再発のためSalvage手術を受けた以外、6例は無再発で経過している。全症例の1年生存率は100%、2年生存および3年生存率は75%であった。【結語】食道表在癌(M3以深)症例に対して根治的化学放射線療法を行った。いずれの症例も原発巣および転移リンパ節転移に対しする効果は良好であり、食道温存という手術に代わる治療方法の一つになる可能性がある。ただ、再発症例も経験しており、注意深い経過観察が必要と考えられた。
索引用語 食道表在癌, 化学放射線治療