セッション情報 パネルディスカッション1(肝臓学会・消化器病学会合同)

B型肝炎再活性化の予知・予防そして治療

タイトル 消PD1-1:

同種造血幹細胞移植後のHBV再活性化に寄与する因子の検討

演者 高橋 和弘(浜の町病院・肝臓内科)
共同演者 上野 新子(浜の町病院・肝臓内科), 具嶋 敏文(浜の町病院・肝臓内科)
抄録 【目的】 HBsAg陰性、HBcAb and/orHBsAb陽性の血液疾患症例の造血幹細胞移植後に高率にHBVの再活性化が起こることが知られている。同種造血幹細胞移植後のHBV再活性化率を明らかにするとともに、再活性化に寄与する因子を検討したので報告する。【方法】  2003年1月から2011年9月までに施行された同種造血幹細胞移植391例。移植前HBsAg陰性でHBcAb and/orHBsAb陽性67例のうち移植後早期死亡例を除き180日以上経過観察が可能であった32例を対象とした。平均年齢47(17-68)歳、男性18例、女性14例、平均観察期間は942(191-2603)日であった。【成績】 32例中11例(34.4%)と高率にHBV DNAの再活性化を認めた。De novo B型肝炎を1例で発症したが、核酸アナログ投与によりHBV再活性化が死亡に関与した症例はなかった。平均生存日数は再活性化群1762日、非再活性化群1436日で有意差を認めなかった。ウイルス因子が検討可能であった4例は全例genotypeCで、プレコアは3例が野生型、1例が変異型、コアプロモーターは4例とも野生型であった。再活性化率は男性44.4%(8/18)、女性21.4%(3/14)で差を認めなかった。年齢は再活性化群53.9±10.1、非再活性化群44.3±14.3歳(p<0.05)と再活性化群で高齢であった。HBc抗体価(CLIA法)は、再活性化群8.86±2.9、非再活性化群3.91±3.9(p<0.01)と再活性化群で高く、高力価群(10≦)の再活性化率は57.1%(4/7)であった。慢性GVHD有群の再活性化率は40%(8/20)、無群30%(3/10)で差は認めず、HLA一致群37.5%(6/16)、不一致群28.6%(4/14)と差を認めなかった。原疾患別再活性化率は、急性骨髄性白血病20%(3/15)、急性リンパ性白血病44.4%(4/9)、悪性リンパ腫100% (3/3)、骨髄異形成症候群0%(0/5)であった。悪性リンパ腫は全例移植前にリツキサンの使用歴があった。【結論】 再活性化率は34.4%と高率であった。年齢、HBc抗体高値は再活性化に関連する因子として重要と考えられた、リツキサンを使用した悪性リンパ腫に対する移植では全例再活性化を認め超高リスク群と考えられた。
索引用語 B肝炎ウイルス再活性化, 造血幹細胞移植