セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭-悪性疾患3

タイトル 消P-35:

NonT4 c-StageII,III食道癌に対する術前FAP療法

演者 鈴木 友宜(がん・感染症センター都立駒込病院・外科)
共同演者 三浦 昭順(がん・感染症センター都立駒込病院・外科), 加藤 剛(がん・感染症センター都立駒込病院・外科), 坂本 啓(がん・感染症センター都立駒込病院・外科), 出江 洋介(がん・感染症センター都立駒込病院・外科), 江頭 秀人(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 藤原 純子(がん・感染症センター都立駒込病院・内視鏡科), 門馬 久美子(がん・感染症センター都立駒込病院・内視鏡科)
抄録 目的: c-Stage II,III食道癌に対する術前FAP療法の有効性を検討する.対象と方法:2000-2009年,当院で食道扁平上皮癌と診断,根治術を施行したc-StageII,III食道癌185例中,術前化学療法(NAC)を施行した77例(N群)を手術先行108例(S群)とretorospectiveに比較検討.長期予後に関しては治療開始日を基準とし, S群のpN+は術後補助化学療法を追加した.レジメン:5-FU:700mg/m2/day ci day1-5,Adriamycin:30mg/m2 div 30min day1,CDDP:14mg/m2 div 30min day1-5を28日周期で1コース,明らかな増悪を認めなければもう1コース繰り返した.結果:1.Stage II:内訳,N:S=18:38, Ut:Mt:Lt=6:9:3(S =5:20:13),T1:2:3=10:3:5(S=12:12:14),cN0:1:2=7:5:6(S=25:5:8).RECIST効果判定はCR:PR:SD:PD=0:7:11:0,奏効率は38.9%.病理学的効果判定はGrade0:1a:1b:2:3=3:7:2:4:2, Down Stage率は44.4.%.長期予後は無再発性生存期間(DFS)が3生率でN:S=79.3: 65.2% (p=0.28),全生存期間(OS)がN:S=83.9: 66.6% (p=0.17).病理学的奏効群の3生率はDFS,OSとも100%.2.Stage III:内訳はN:S=59:70, Ut:Mt:Lt=9:27:23(S=8:36:26), T1:2:3=0:7:52(S=4:7:59), cN1:2:3=17:36:6 (S=13:36:21). RECIST効果判定はCR:PR:SD:PD=0:33:26:0,奏効率は55.9%.病理学的効果判定はGrade0:1a:1b:2:3=8:36:4:10:1,Down Stage率は39.0%. 長期予後はDFSが3生率でN:S=39.7: 25.1% (p=0.029), OSがN:S=42.2: 41.2% (p=0.52).病理学的奏効群の3生率はDFS は74.7% (p=0.014), OSがN:S=93.3% (p=0.017).結語:c-StageII,III食道癌に対する術前FAP療法の検討では,特にStageIIIあるいはNAC奏功例において予後延長効果を認めた.しかし,NAC非奏効例の予後は不良で今後は治療戦略について,さらなる検討が必要と考える.
索引用語 術前化学療法, 食道癌