セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭-悪性疾患3

タイトル 消P-36:

切除不能食道癌・化学放射線療法後の治療経験

演者 吉井 貴子(神奈川県立がんセンター・消化器内科)
共同演者 尾形 高士(神奈川県立がんセンター・消化器外科(食道)), 須江 聡一郎(神奈川県立がんセンター・消化器内科), 井口 靖弘(神奈川県立がんセンター・消化器内科), 野中 哲生(神奈川県立がんセンター・放射線腫瘍科), 中山 優子(神奈川県立がんセンター・放射線腫瘍科), 大川 伸一(神奈川県立がんセンター・消化器内科)
抄録 【目的】切除不能(T4(NT4含)または隔清範囲外リンパ節)食道癌では、化学放射線療法(CRT)が標準的治療のひとつである。これらの対象では遺残・再発に対して救済治療が困難なことが多く後治療が課題となるが、まとまった報告はほとんどない。当院での経験を報告する。【方法】2009~2010年に当院を受診した切除不能食道癌患者106例のうち,根治的CRTを施行し半年以上経過を追えている18例について、CRT後の経過を遡及的に検討した。活動性の重複癌を有する症例は除外した。CRTのRegimenはstandard FP、またはFN+radiation(60Gy)を用いた。効果判定はRECIST v1.1に従った。統計的解析はKaplan-Meier法及びLog-rank法によった。【成績】男女比(16:2)。年齢(中央値);66歳(47-72)。腫瘍占拠部位(Ce/Ut/Mt/Lt):1/11/5/1。腫瘍径(中央値);6cm(2-10)。組織型(SCC/Basaloid);17/1。非切除因子(T4/隔清外リンパ節);14/4。CRT効果(CR/PR/nonCRnonPD/PD);5/5/5/3。全生存期間(OS;中央値);261.0日(52-683)。再発・像悪;15例。2次治療施行;8例(53.3%)。2次治療不可の理由(瘻孔形成/PS低下/患者選択);5/1/1。2次治療のRegimen(5FU+Platinum / triweekly TXT);7/1。2次治療の効果(nonCRnonPD/SD/PD /未確定);2/3/2/1。無増悪生存期間(中央値);92日(43-199)。CRT後再発・像悪からの生存期間(OS-TTF);115.0日(8-501)。2次治療施行群は非施行群に比べてOSおよびOS-TTFが長かった(380日(251-683) vs. 114日(8-126), p=0.0001、および126日(105-501) vs. 21日(8-126), p=0.021)。3例が3次治療(triweekly TXT)を受け、良好な経過を示している(OS;683/510/461日)。1例にgrade3のアレルギー反応を認めたが、治療関連死亡は認めなかった。【結論】症例の集積が必要であるが、切除不能食道癌CRT後のpalliative chemotherapyは生存利益につながる可能性が示唆された。
索引用語 化学放射線療法, 2次治療