セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭-症例報告1

タイトル 消P-42:

食道癌術後頸部リンパ節再発に対しCDGPを用いたCRTと追加化学療法でCR継続の2例

演者 牧野 浩司(日本医大・外科DELIMITER日本医大多摩永山病院・外科)
共同演者 宮下 正夫(日本医大・外科), 野村 務(日本医大・外科), 萩原 信敏(日本医大・外科), 岩切 勝彦(日本医大・消化器内科), 河越 哲郎(日本医大・消化器内科), 川見 典之(日本医大・消化器内科), 二神 生爾(日本医大・消化器内科), 吉田 寛(日本医大多摩永山病院・外科), 内田 英二(日本医大・外科)
抄録 【はじめに】食道癌術後リンパ節再発を来たした症例に対するCRTまたは化学療法は、縮小はしてもCRには至らず、再発の無い症例と比較して予後が悪い。切除可能であれば外科的切除、不能であればCRTまたは化学療法を施行する。【目的】 食道癌術後の頸部リンパ節再発に対してCDGPを用いたCRTと追加化学療法でCR継続の2例を経験したので報告する。【方法】5-Fu 500 mg/m2 (day1-5), CDGP 15 mg/m2 (day1-5), LV 20 mg/m2 (day1-5)を2コース, radiation. 60Gy後、追加の化学療法を施行した。効果判定でCRが得られ、【症例1】68歳男性。cStage III (T3,N0,M0)に対して術前化学療法(5Fu, CDDP, LV)施行後、右開胸開腹食道切除術、3領域リンパ節郭清を施行した。切除標本でpStage I (T1b,N0)であった。退院後、他院にてフォローアップ中に嚥下困難が出現。(術後4年)当科紹介、精査にて左頸部リンパ節転移再発と診断され上記治療施行。追加化学療法は(1) 5-Fu 350 mg/m2 (day1-5), CDGP 15 mg/m2 (day1-5), DOC 60 mg/m2 (day1) を1コース入院で(2) DOC 30 mg/m2 (day1), CDGP 30 mg/m2 (day1)を8コース外来で施行した。【症例2】62歳男性。cStage I (T1b,N0,M0)に対して、胸腔鏡補助下食道切除術、3領域リンパ節郭清を施行した。切除標本の病理検査でpStage II (T1b,N2)であった。退院後、当院でフォローアップ中に嚥下困難が出現。(術後4年)精査にて左頸部リンパ節転移再発と診断され、上記治療施行。追加化学療法は5-Fu 800 mg/m2 (day1-5), CDDP 80 mg/m2 (day1), 2コースを入院で施行した。【成績】2症例共に,CT,内視鏡,腫瘍マーカー測定にて再発を認めず, CRが持続している。【結論と課題】 食道癌術後リンパ節再発は予後不良であるが、CDGPを用いたCRTは副作用も軽度でCRを得られる可能性があり、リンパ節再発に対する治療の選択肢の一つであると示唆された。
索引用語 食道, CRT