セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
食道・咽頭-症例報告2
|
タイトル |
消P-44:胆管癌を原発とする転移性食道癌の一例
|
演者 |
松沢 迪子(自治医大さいたま医療センター・消化器科) |
共同演者 |
松本 吏弘(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 大竹 はるか(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 吉川 修平(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 上原 健志(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 新藤 雄司(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 池谷 敬(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 池田 正俊(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 東海 浩一(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 牛丸 信也(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 浅野 岳晴(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 岩城 孝明(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 福西 正徳(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 鷺原 規喜(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 浅部 伸一(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 宮谷 博幸(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 吉田 行雄(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 野首 光弘(自治医大さいたま医療センター・病理部) |
抄録 |
症例は72歳,男性.主訴は肝機能障害.糖尿病で前医通院中であったが,2011月1月の定期採血検査で肝胆道系酵素上昇を指摘され,同月に当科紹介受診した.腹部超音波にて中部胆管に腫瘍性病変を認め,精査加療目的に入院となった.自覚症状はなかったが,身体所見上で左鎖骨上と左腋下に弾性硬・可動性不良の腫大したリンパ節を触知した.胸腹骨盤造影CTでは総胆管中部に隆起性病変を指摘し,総胆管拡張を認めた.また左頸部から縦隔・肺門部・胸腹大動脈周囲リンパ節に累々とした多発リンパ節腫大を認めた. ERCPで,中部胆管に2cm程度の狭窄を認め,ENBDを留置した.IDUSでは,狭窄部に腫瘤が同定され,一部において漿膜外への浸潤がみられた.胆汁細胞診から腺癌が検出され,左鎖骨上リンパ節に対する穿刺吸引細胞診でも腺癌細胞の転移を示唆する所見が得られたため, StageIV胆管癌と診断した.多重癌の合併も考慮し,上部消化管内視鏡検査を施行したところ,食道下部に半周性に壁肥厚を伴う陥凹性病変を認めた.同部位からの生検では低分化腺癌を認め.採取検体の表層には癌細胞が認められないことなどから胆管癌の食道転移と診断した.ENBDチューブを8Fr,10cmのプラスチックステントに入れ替え,2月よりGS(Gemcitabine+S-1)療法を導入した.1クール終了後のCTでは縦隔・腹部大動脈周囲のリンパ節転移は著明に縮小しており,下部食道の壁肥厚像も縮小した.現在の化学療法継続中である.胆管癌の食道転移は極めてまれであり,文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 |
転移性食道癌, 胆管癌 |