セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭-症例報告2

タイトル 消P-47:

胃軸捻転を伴った食道裂孔ヘルニアの3例

演者 石川 恵里(公立陶生病院・消化器内科)
共同演者 松浦 哲生(公立陶生病院・消化器内科), 小島 久実(公立陶生病院・消化器内科), 浅井 裕充(公立陶生病院・消化器内科), 松崎 一平(公立陶生病院・消化器内科), 清水 裕子(公立陶生病院・消化器内科), 林 隆男(公立陶生病院・消化器内科), 黒岩 正憲(公立陶生病院・消化器内科), 森田 敬一(公立陶生病院・消化器内科)
抄録 【目的】当院で経験した胃軸捻転を伴った食道裂孔ヘルニアの3例について報告する。【症例1】72歳女性。3カ月前から胸部不快感と嘔吐がありPPI内服治療するも症状改善せず受診した。CTにて胃体部から前庭部の縦隔内への脱出および十二指腸の虚脱を認め、上部消化管造影検査にて大弯側を頭側とする脱出を認めた。臓器軸性捻転を伴った食道裂孔ヘルニアと診断し保存的治療を行ったが、水分摂取にて嘔吐認め手術を施行した。ヘルニア門より大網を先進部として胃体下部及び前庭部が脱出しており、癒着していた大網を剥離しヘルニア内容を整復した。術後2年経過するが再発は認めていない。【症例2】80歳女性。1週間前より突然の食後嘔吐を認め症状持続するため受診した。CTにて胃全体が縦隔内に脱出しており、さらに十二指腸、膵臓の一部、腹腔動脈、脾動静脈、一部小腸間膜も脱出を認めた。臓器軸性捻転を伴った食道裂孔ヘルニアと診断し保存的治療を行ったが軽快せず、手術を施行した。癒着はなくヘルニア内容は容易に整復できた。術後経過は良好である。【症例3】74歳男性。逆流性食道炎による上部消化管出血と誤嚥性肺炎にて14日間入院していたが、退院翌日に再度嘔吐による誤嚥性肺炎を起こし受診した。CTにて胃体部から前庭部にかけての胃と横行結腸の一部が縦隔内に脱出していた。上部消化管造影検査では大弯側を頭側としていた。臓器軸性捻転を伴った食道裂孔ヘルニアと診断、手術を施行した。癒着はなくヘルニア内容は容易に整復できた。術後経過は良好である。【結論】食道裂孔ヘルニアは良性疾患であるが、胃管による胃内の減圧や内視鏡での整復など非観血的治療で改善しない場合は手術適応となる。本症例に若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 食道裂孔ヘルニア, 胃軸捻転