セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-基礎1

タイトル 消P-51:

健康成人を対象としたプロトンポンプインヒビターの胃内pHに及ぼす影響

演者 舟木 康(愛知医大病院・消化器内科DELIMITER愛知医大・中央臨床検査部)
共同演者 徳留 健太郎(愛知医大病院・消化器内科), 近藤 好博(愛知医大病院・消化器内科), 伊藤 義紹(愛知医大病院・消化器内科), 井澤 晋也(愛知医大病院・消化器内科), 増井 竜太(愛知医大病院・消化器内科), 土方 康孝(愛知医大病院・消化器内科), 河村 直彦(愛知医大病院・消化器内科), 飯田 章人(愛知医大病院・消化器内科), 水野 真理(愛知医大病院・消化器内科), 小笠原 尚高(愛知医大病院・消化器内科), 佐々木 誠人(愛知医大病院・消化器内科), 米田 政志(愛知医大病院・消化器内科), 春日井 邦夫(愛知医大病院・消化器内科)
抄録 【目的】プロトンインヒビター(PPI)は優れた胃酸分泌抑制効果により消化性潰瘍、逆流性食道炎の治療の第一選択とされている。しかし、臨床使用が可能な各種PPIで、酸分泌抑制効果の相違については一定の見解がない。そこで、オメプラゾール(OPZ)とランソプラゾール(LPZ)の2剤について、一般臨床に即し1日1回、朝食後投与での胃酸分泌抑制効果の違いにつき胃内pHモニタリングにて比較検討を行った。【対象・方法】文書による同意が得られた男性4名(35±3.2歳)を対象とし、OPZ20mg投与とLPZ30mg投与の2群間無作為割付、クロスオーバー試験を行った。試験前に血中抗HP-IgG抗体、PGI/PGII比を測定し、PPI投与1、8日目に24時間胃内pHモニタリングを行った。9:30、13:00、18:00に規定食と水200mLを、15:00と22:00に水200mLを摂取、PPIは朝食後に服用させた。【成績】全例で抗HP-IgG抗体、PGI/PGII比は陰性であった。OPZ群とLPZ群の投与1日目の24時間胃内pH≧4時間比率には差を認めなかったが、内服後1~4時間までの胃内平均pHはOPZ群が有意にpH上昇傾向を示した(p<0.05)。また、夜間帯(22:00~翌6:00)においての24時間胃内pH≧4時間比率はそれぞれ19.8±4.3%、9.13±4.4%(p<0.01)と、OPZで有意なpH上昇維持を認めた。8日目の各検討では両群間に有意差は認めなかった。【結論】1日1回、朝食後の常用量のPPI服薬では、投与初日においてLPZに比較してOPZが食事に影響されることなく、速やかかつ持続的な酸分泌抑制効果を示した。
索引用語 プロトンインヒビター, 胃酸分泌