セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胃-基礎3 |
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タイトル | 消P-59:レバミピドによる樹状細胞誘導能の解析 |
演者 | 山道 信毅(東京大・消化器内科) |
共同演者 | 岡 政志(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 稲田 健一(藤田保健衛生大・1病理学), 清水 真己(東京大・消化器内科), 曲里 浩人(和歌山県立医大・2内科), 小田島 慎也(東京大・消化器内科), 後藤 修(東京大・消化器内科), 小野 敏嗣(東京大・消化器内科), 新美 惠子(東京大・消化器内科), 藤城 光弘(東京大・消化器内科), 一瀬 雅夫(和歌山県立医大・2内科), 小池 和彦(東京大・消化器内科) |
抄録 | レバミピドはプロスタグランジン産生を促進し、胃粘膜増加や粘膜血流増強の誘導を通じて、胃酸に対する防御機能を高めるとされる。この効果により胃炎や胃潰瘍の治療に広く使われているが、胃癌への影響については殆ど検証されていない。そこで本研究では、N-methyl-N'-nitro-N-nitrosoguanidine(MNNG)経口投与によるラット胃発癌モデルを用い、抗癌活性を担う樹状細胞の誘導に注目して解析を行なった。樹状細胞はT細胞への抗原提示を行なう骨髄由来細胞であり、様々な悪性腫瘍の病変部位に集積して抗癌活性を示すと考えられている。我々はこれまで、MNNGの経口投与によるラットの胃壁間質への樹状細胞の誘導を報告し、胃癌に対する免疫応答の有用なモデルになることを示してきた。本研究ではこれを踏まえ、Lewis・Buffaloの2種のrat strainに対して、レバミピド投与群・非投与群の2群に分け、1) MNNGを溶かした水道水、2) 水道水(対照群)、のいずれかを摂取させ、樹状細胞の誘導を検討した(各群10匹)。CD68をマーカーとして14日後に屠殺したラット胃の免疫染色を行なったところ、MNNG非暴露の場合はいずれのstrainでも、レバミピド投与群・非投与群の樹状細胞数に殆ど差を認めなかった。一方、MNNGに暴露した場合、Lewis strainではレバミピド投与群で樹状細胞の増加傾向が見られ、Buffalo strainでは樹状細胞の有意の増加が認められた。樹状細胞の誘導促進因子としてIL1-β・TNF-αが良く知られているため、胃癌由来細胞株SH-10-TC・MKN-74・Kato-IIIを用いて検討したところ、レバミピド処理によりTNF-αの発現変化は認めなかったが、全ての細胞株でIL-1βの発現上昇が認められた。以上の結果より、レバミピドが胃上皮細胞のIL1-β産生亢進を通じて樹状細胞誘導を促進し、胃癌に対する抗癌活性を示す可能性が示唆された。 |
索引用語 | 樹状細胞, レバミピド |