セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胃-基礎3 |
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タイトル | 消P-63:胃癌の発生・進行と胃粘膜メチル化状態の関連 |
演者 | 米村 穣(藤田保健衛生大・消化管内科) |
共同演者 | 柴田 知行(藤田保健衛生大・消化管内科), 田原 智満(The University of Texas M.D. Anderson Cancer Center, Leukemia Department), 中村 正克(金沢医大・消化器内科), 大森 崇史(藤田保健衛生大・消化管内科), 城代 康貴(藤田保健衛生大・消化管内科), 加糖 祐子(藤田保健衛生大・消化管内科), 生野 浩和(藤田保健衛生大・消化管内科), 市川 裕一朗(藤田保健衛生大・消化管内科), 釜谷 明美(藤田保健衛生大・消化管内科), 大久保 正明(藤田保健衛生大・消化管内科), 小村 成臣(藤田保健衛生大・消化管内科), 吉岡 大介(藤田保健衛生大・消化管内科), 丸山 尚子(藤田保健衛生大・消化管内科), 鎌野 俊彰(藤田保健衛生大・消化管内科), 藤田 浩史(藤田保健衛生大・消化管内科), 石塚 隆充(藤田保健衛生大・消化管内科), 中川 義仁(藤田保健衛生大・消化管内科), 長坂 光夫(藤田保健衛生大・消化管内科), 平田 一郎(藤田保健衛生大・消化管内科) |
抄録 | 【目的】CpGアイランドの高メチル化(CIHM)は胃癌の臨床病理学的特徴に寄与している。我々は4つの主要な癌抑制遺伝子のCIHMと胃癌との関連を調べた。【方法】125人の胃癌患者の組織を胃癌組織及び近傍の内視鏡的非胃癌粘膜から採取した.また非胃癌患者180名の非腫瘍胃粘膜からも組織を採取し胃癌と比較した。p14、p16、CDH1、DAP-キナーゼ(DAPK)遺伝子のCIHMはメチル化特異的PCR法により測定した。CIHM highは、3つ以上のCpGアイランドのメチル化を伴うものとした。【成績】非胃癌粘膜のp14、CDH1、DAPKのCIHMの状態は有意に胃癌患者で高かった(p14:32.2 vs 50.4%、OR:1.70、95%CI:1.03 - 2.80、CDH1:36.1 vs 84.0%、OR:8.65、95%CI:14.74-15.77、DAPK:42.2 vs 83.2%、OR:5.98、95%CI:3.37-10.62、CIHM high:44.4 vs 80.8%、OR:4.40、95%CI:2.51-7.72)。胃癌患者での胃癌組織と非胃癌組織のメチル化の比較では、p16とCDH1のCIHM、及びCIHM highの程度が、癌組織で正常粘膜に比し低下していた。癌組織の平均メチル化数も減少していた。p14とCDH1のCIHM、及びCIHM highの低下は、癌の進行度、リンパ管侵襲、静脈侵襲、リンパ節転移、腹膜播種や遠隔転移と関連していた。胃癌と非胃癌組織での平均メチル化数の違いでType A(胃癌組織でメチル化数が増加した群)、Type B(メチル化数が不変であった群)、Type C(胃癌組織でメチル化数が減少した群)に分類した場合、より進行し転移している進行胃癌で、Type BとCがType Aに比し多く認められた。【結論】非胃癌粘膜のCIHMは胃癌の危険性と関連していたが、CIHMは胃癌発生の早い段階で起こり、胃癌の発生進展と共に減弱する可能性が示唆された。 |
索引用語 | メチル化, 胃癌 |