セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-機能2

タイトル 消P-69:

炎症性ニューロパチー患者の胃機能 ―胃電図による検討―

演者 杵川 文彦(さぬき市民病院・内科)
共同演者 松田 和也(松田内科医院・内科), 小林 三善(香川大・消化器・神経内科), 野村 貴子(香川大・消化器・神経内科), 村松 明美(香川大・消化器・神経内科), 森 宏仁(香川大・消化器・神経内科), 井上 秀幸(香川大・消化器・神経内科), 坂本 鉄平(香川大・消化器・神経内科), 米山 弘人(香川大・消化器・神経内科), 出口 章広(香川大・消化器・神経内科), 木田 裕子(さぬき市民病院・内科), 中尾 克之(さぬき市民病院・内科), 井上 利彦(さぬき市民病院・内科), 正木 勉(香川大・消化器・神経内科)
抄録 【目的】神経疾患においては自律神経障害に起因する胃機能障害を合併すると推測されるが、報告は少ない。今回は急性炎症性ニューロパチー患者と慢性炎症性ニューロパチー患者において胃電図を記録し、両者を比較したので報告する。【方法】対象は急性炎症性ニューロパチー患者(男5例、女7例、21~89歳、内訳はギランバレ症候群;GB8例、フィッシャー症候群;FS4例)と慢性炎症性ニューロパチー患者(男6例、女2例、31~69歳、全例慢性炎症性脱髄性多発神経炎;CIDP)である。ニプロ社製EGを用いて胃電図を記録した。空腹期30分と食後期30分のbradygastria(2.4cpm未満)、normogastria(2.4-3.6cpm)、tachygastria(3.6cpm以上)の発生頻度、パワーが最も大きい周波数(DF)、食事前後の電位の変化率(PR)について解析し、急性期と回復期における胃電図の変化について検討した。空腹期の成績については健常者(男6例、26~48歳)との比較も行った。【成績】1)GB/FS:急性期空腹期のnormogastria は75.0±6.3%で健常者96.2±3.8%と比較して有意に低下していた(p<0.05)。空腹期のnormogastriaは回復期には86.4±4.4%と有意に改善した(p<0.05)。DFとPRは急性期と回復期で有意に変化しなかった。2)CIDP:急性期空腹期のnormogastriaは90.0±3.2%で健常者と比較して有意差を認めなかった。空腹期のnormogastriaは回復期87.4±5.8%で急性期と比較して有意な変化を認めなかった。DFとPRも急性期と回復期で有意に変化しなかった。【結論】GB/FSの急性期においては、胃機能が低下しており、原疾患の回復とともに胃機能も改善したが、CIDPにおいては胃機能の低下を認めず、急性期と回復期で有意な変化を認めなかった。自律神経障害を合併する神経疾患においては胃機能障害も合併しており、原疾患の治療により、胃機能障害も改善する可能性がある。
索引用語 炎症性ニューロパチー, 胃電図