セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
胃-機能2
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タイトル |
消P-70:FD患者の随伴症状としての胃食道逆流症状、睡眠障害と胃排出能との相関関係の解析
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演者 |
泉 日輝(日本医大・消化器内科) |
共同演者 |
二神 生爾(日本医大・消化器内科), 新福 摩弓(日本医大・消化器内科), 小高 康裕(日本医大・消化器内科), 堀江 茜(日本医大・消化器内科), 河越 哲郎(日本医大・消化器内科), 進藤 智隆(日本医大・消化器内科), 名児耶 浩幸(日本医大・消化器内科), 植木 信江(日本医大・消化器内科), 楠 正典(日本医大・消化器内科), 川見 典之(日本医大・消化器内科), 三宅 一昌(日本医大・消化器内科), 岩切 勝彦(日本医大・消化器内科), 伊藤 高司(日本医大・情報科学センター), 坂本 長逸(日本医大・消化器内科) |
抄録 |
(背景・目的)NERD患者とFD患者との間にoverlapがあることが知られており、我々もまた、両群におよそ30-40%程度の胃排出能障害があることを報告してきた。日本におけるFD患者の胃食道逆流症状の実態は明らかではなく、FD患者における随伴症状として認められる食道胃逆流症状の程度や、逆流性食道炎患者に見られるとされる睡眠障害の有無の報告は極めて少ない。今回我々は、これらの臨床症状の比較に加え、一部のFD症例につき、胃排出能との関連を検討したところ、興味深い結果を得られたので報告する。(方法)大学病院外来を受診したFD-like症状を訴える患者30名と健常者30名を対象とした。患者はいずれも上部消化管内視鏡検査、腹部超音波、便潜血検査を行い、器質的疾患を除外した。臨床症状はGSRS日本語版,ピッツバーグ睡眠質問票によりスコア化した。胃排出能は13-acetate呼気試験を用いて90分法によりTmax 60min以上を胃排出能異常群、60min以下を正常群と判定した。(結果)FD-like患者においては、GSRSのスコアはそれぞれ酸逆流症状2.17±0.18,腹痛2.38±0.20,消化不良症状2.54±0.21,下痢1.79±0.22,便秘2.22±0.19であった。一方で健常者群では酸逆流症状2.00±0.28,腹痛1.51±0.56,消化不良症状1.70±0.15,下痢1.92±0.27,便秘1.77±0.24であった。Tmaxと胃食道逆流症状との間には有意な相関関係を認めた(p<0.05)。一方、FD-like群における入眠時間0.96±0.19,睡眠時間0.56±0.15,睡眠障害0.93±0.09であった。一方で健常者群では入眠時間0.59±0.17,睡眠時間1.06±0.22,睡眠障害0.59±0.12であった。さらに、Tmaxと睡眠時間との間にも有意な相関関係を認めた(p<0.05)。(結論)Tmax値と胃食道逆流症状、睡眠時間との相関に関してはさらなる検討が必要であると考えられた。 |
索引用語 |
機能性ディスペプシア, 胃運動能 |