セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-診断(内視鏡)1

タイトル 消P-82:

当院人間ドックにおける経口・経鼻内視鏡の胃癌発見精度比較

演者 荒田 英(市立横手病院・消化器内科)
共同演者 渡部 昇(市立横手病院・消化器内科), 木下 幸寿(市立横手病院・消化器内科), 武内 郷子(市立横手病院・消化器内科), 小田嶋 傑(市立横手病院・消化器内科), 奥山 厚(市立横手病院・消化器内科), 藤盛 修成(市立横手病院・消化器内科), 船岡 正人(市立横手病院・消化器内科)
抄録 【目的】経鼻内視鏡は苦痛が少ない内視鏡検査として近年急速に普及し、当院でも平成19年4月から人間ドックに導入開始した。そこで当院の人間ドック上部内視鏡検査における経鼻内視鏡の導入実績と胃癌発見における精度を経口内視鏡と比較検討したので報告する。【方法】当院人間ドックにおける平成19年度から平成22年度までの上部内視鏡受診者10,264例(男性5717例・女性4547例)を対象とし、経口・経鼻それぞれの実施件数の推移、胃癌発見率、癌発見部位、治療法を比較検討した。【成績】対象期間中の経口内視鏡受診者は3363例、経鼻内視鏡受診者は6901例であった。対象の平均年齢は49.7歳(男性平均50.7歳・女性平均48.1歳)であった。平成19年の経口と経鼻の割合はほぼ5:5であった。平成20年度から経鼻希望者は増加し、平成22年度には経口と経鼻の割合はほぼ3:7となった。対象期間内の胃癌発見数は25例で、経口14例、経鼻11例であった。25例中11例が逐年受診者で、経口6例、経鼻5例であった。25例中24例(96%)は早期胃癌であり、進行胃癌はドック初回受診者の経鼻1例のみであった。発生部位は経口でU領域1例、M領域7例、L領域7例で、経鼻ではU領域1例、M領域3例、L領域7例であった。内視鏡治療可能例は経口で10例、経鼻で6例であった。【考察】当院人間ドックでの上部内視鏡による胃癌発見率は0.24%であった。経口・経鼻それぞれの胃癌発見率は経口で0.41%、経鼻で0.159%であり、経鼻・経口ともに0.158%~0.485%と報告されている多施設の胃癌発見率に比べて遜色ないと言える。今後更に経鼻内視鏡希望者が増加すると考えられ、更に経口・経鼻ともに逐年受診者からの胃癌発見例も認められる事から、より内視鏡検査の精度を高める事が重要と考える。
索引用語 経鼻内視鏡, 胃癌