セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-診断(内視鏡)2

タイトル 消P-83:

ESD症例のX線検査での診断能と今後の課題

演者 加藤 知爾(武蔵野赤十字病院・消化器科)
共同演者 細川 貴範(武蔵野赤十字病院・消化器科), 中西 裕之(武蔵野赤十字病院・消化器科), 田中 佳祐(武蔵野赤十字病院・消化器科), 鈴木 雄一朗(武蔵野赤十字病院・消化器科), 星岡 賢英(武蔵野赤十字病院・消化器科), 玉城 信治(武蔵野赤十字病院・消化器科), 安井 豊(武蔵野赤十字病院・消化器科), 上田 研(武蔵野赤十字病院・消化器科), 土谷 薫(武蔵野赤十字病院・消化器科), 板倉 潤(武蔵野赤十字病院・消化器科), 黒崎 雅之(武蔵野赤十字病院・消化器科), 朝比奈 靖浩(武蔵野赤十字病院・消化器科), 泉 並木(武蔵野赤十字病院・消化器科)
抄録 【目的】本邦では胃癌の検診は胃X線検査で行われているが、撮影技術や読影医の診断能のばらつきが問題である。また内視鏡的粘膜下層剥離術の登場により早期胃癌の発見の意義が増しており、死亡率減少が検診のエンドポイントでよいのかについても議論が必要である。【方法】当院において内視鏡的粘膜下層剥離術を施行した353例のうち術前にX線検査を行った260例について検討をおこなった。【成績】X線検査で病変を指摘しえたのは120例(46%)であった。組織型は腺腫86例、胃癌171例、カルチノイド1例、GIST1例、炎症性類線維ポリープ1例であった。肉眼型別では隆起型が102/197(52%)、平坦型が0/2(0%)、陥凹型が16/59(27%)で平坦型、陥凹型で検出感度が低値であった。部位別では前壁が19/46(41%)、後壁が37/72(51%)、大弯が26/42(62%)、小弯が38/100(38%)と小弯でやや不良だった。また上部20/44(45%)、中部30/63(48%)、下部70/153(46%)で差はなかった。胃癌に限って検討を行うと、X線検査で病変を指摘しえたのは84例(49%)であった。肉眼型別では隆起型が69/117(59%)、平坦型が0/2(0%)、陥凹型が15/52(29%)でやはり平坦型、陥凹型で検出感度が低値であった。部位別では前壁が12/23(52%)、後壁が28/52(54%)、大弯が16/27(59%)、小弯が28/69(41%)とやはり小弯でやや不良だった。また上部18/37(49%)、中部17/35(49%)、下部49/99(49%)で差はなかった。【結論】検診でのX線検査の感度は70~80%と報告されているが、内視鏡的粘膜下層剥離術を施行した症例を対象とした本検討でのX線検査は早期胃癌の診断能は十分とはいえなかった。内視鏡治療が広く普及しつつある本邦において早期胃癌を発見し手術を回避するメリットは大きいと考えられ、早期胃癌発見をエンドポイントとした更なる検討が必要と考える。
索引用語 胃癌, 診断