セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-診断(内視鏡)2

タイトル 消P-88:

胃癌術後腹膜再発に対する診断的腹腔鏡検査の有用性について

演者 平野 正満(草津総合病院・消化器外科)
共同演者 小座本 雄軌(草津総合病院・消化器外科), 一瀬 真澄(草津総合病院・消化器外科), 松田 高幸(草津総合病院・消化器外科), 戸川 剛(草津総合病院・消化器外科), 高尾 信行(草津総合病院・消化器外科), 水本 明良(草津総合病院・消化器外科), 水野 光邦(草津総合病院・消化器外科), 米村 豊(腹膜播種治療支援機構)
抄録 【はじめに】進行胃癌術後に腹膜再発が疑われる症例に対し、早期診断と治療の目的で診断的腹腔鏡検査を施行してきた。【対象と方法】胃癌手術後に腫瘍マーカーの上昇あるいはCTなどの画像所見で腹膜再発が疑われた13例。CT、USで腹腔鏡検査が可能であることを確認し、下腹部から腹腔鏡を挿入。腹水(洗浄水)細胞診と腹膜の組織診を行い、腹膜再発が確定した場合は、温熱化学療法(HIPEC)と腹腔内留置ポート(IPポート)を施行した。【結果】13例の平均年齢は61.8歳、性別は男性8例、女性5例である。手術時間はHIPEC、IPポート留置時間を含め、平均2時間27分であった。13例すべてで完遂でき、手術手技に伴う合併症はみられなかった。腹膜再発(播種)ありが11例で、組織診陽性10例、細胞診陽性が6例であった。腹腔鏡観察下PCIは平均14であった。HIPECを全例(11例)に行い、IPポート留置も9例に施行した。一方、腹腔鏡所見で腹膜再発なしは2例(細胞診、組織診ともに陰性)であった。これらは現在も再発は見られていない。【まとめ】1、診断的腹腔鏡検査は全身麻酔を要するが、安全で確実な手術手技である。2、腹腔内所見を観察できるとともに、確実に組織を採取し、腹膜播種の確定診断を下すことができる。3、小切開を加えることで温熱化学療法やIPポート留置も可能である。4、今後、一般的な手術手技として適切な保険点数が設定され、保険収載されることが望まれる。
索引用語 診断的腹腔鏡検査, 胃癌腹膜再発