セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胃-H.pylori1 |
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タイトル | 消P-91:ヘリコバクター・ピロリ除菌療法は血管内皮機能を改善させる |
演者 | 山森 一樹(大阪掖済会病院・消化器内科) |
共同演者 | 須川 貴史(大阪掖済会病院・消化器内科), 大南 雅揮(大阪掖済会病院・消化器内科), 高垣 敬一(大阪掖済会病院・外科), 村橋 邦康(大阪掖済会病院・外科), 澤田 鉄二(大阪掖済会病院・外科), 西野 光一(大阪掖済会病院・外科), 斯波 将次(大阪市立総合医療センター・消化器内科), 永見 康明(大阪市立大大学院・消化器内科学), 中谷 雅美(大阪市立大大学院・消化器内科学), 亀田 夏彦(大阪市立大大学院・消化器内科学), 岡崎 博俊(大阪市立大大学院・消化器内科学), 荒川 哲男(大阪市立大大学院・消化器内科学) |
抄録 | 【目的】血管内皮機能障害は内臓脂肪量と強く相関し、心血管疾患において検出可能な最も早期の段階として注目されている。血管内皮機能は、従来エコープローベを用いて駆血開放後の上腕動脈の反応性血管拡張で測定されていたが、近年指尖脈波による反応性充血を測定する方法が開発され、臨床応用されている。同法は従来法に比し、単一血管ではない血管床を反映する、術者の技量に依存しない、再現性に優れているなどの利点がある。一方、ヘリコバクター・ピロリ(Hp)感染と心血管疾患の関連を示唆する報告もある。そこで、Hp除菌療法が血管内皮機能に及ぼす影響を、指尖脈波による反応性充血を用いて検討した。【方法】本研究に同意の得られたHp陽性症例25例(男性13例、女性12例)を対象に、Hp除菌療法前後で指尖脈波による反応性充血指数(Reactive Hyperemia Index, RHI)をEndo-PAT2000で評価した。【成績】全症例の除菌前RHIの平均値は1.95から除菌後に1.96とわずかに改善した。一次除菌が不成功であった4例では、除菌前が1.82であったのに対し、一次除菌後には1.54と低下し、二次除菌成功後には1.92と改善した。除菌前の内視鏡検査で潰瘍や潰瘍瘢痕を認めなかった慢性胃炎症例9例では、除菌前の1.93から除菌後に2.08と比較的高い改善傾向が認められた。いずれも統計学的な有意差は認められなかった。【結論】Hp除菌療法は血管内皮機能を改善させることが示唆された。この効果は一次除菌不成功例の検討により、除菌薬の効果ではなくHp除菌そのものが影響していると考えられた。特に慢性胃炎症例で除菌療法の効果が高い傾向にあった。 |
索引用語 | ヘリコバクター, 血管内皮 |