セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-H.pylori

タイトル 消P-97:

当院でのHelicobacter pylori陽性患者の検討

演者 木下 幸寿(市立横手病院)
共同演者 船岡 正人(市立横手病院), 藤盛 修成(市立横手病院), 奥山 厚(市立横手病院), 中島 裕子(市立横手病院), 小田嶋 傑(市立横手病院), 武内 郷子(市立横手病院), 渡部 昇(市立横手病院), 荒田 英(市立横手病院)
抄録 【はじめに】胃・十二指腸潰瘍の発症の病態にHelicobacter pylori(以下H.pylori)感染が深く関わっていることが明らかとなり、除菌治療が胃・十二指腸潰瘍の基本的な治療法として位置づけられている。【目的・方法】平成18年1月~平成22年12月までの5年間に、当院でH.pylori陽性と診断された患者334例を対象として検討した。【成績】平均年齢は54.3歳、男女比は200:134、初回検査での判定方法は迅速ウレアーゼ試験が64.2%で最も多く、以下に組織鏡検法16.2%、抗体測定法13.8%、尿素呼気試験5.8%と続いた。H.pylori陽性患者334例のうち除菌療法を施行した237例の除菌率を検討したところ、LPZ,RBZ+AMPC+CAMによる一次除菌で72.2%(171/237)、LPZ+AMPC+MNZによる二次除菌で89.2%(33/37)であり、二次除菌でも失敗した症例は4例であった。また除菌成功後の胃・十二指腸潰瘍再燃症例は5例であった。除菌後の逆流性食道炎の発症あるいは増悪症例については26例(11.0%)であった。またH.pylori陽性患者を、胃潰瘍群(165例)・十二指腸潰瘍群(99例)・検診または希望チェック群(48例)・その他群(44例)に分けて検討した。初回検査の判定方法については、胃・十二指腸潰瘍群は迅速ウレアーゼ試験が圧倒的に多く、検診または希望チェック群では抗体測定法が多く、その他群では組織鏡検法が多かった。除菌率については一次除菌・二次除菌ともに各群に有意差は認めなかった。【結論】除菌療法を施行した患者で二次除菌も失敗した4症例について、その要因を検証するのは困難であった。除菌不成功例に対しては今後、H.pylori培養による抗生剤に対する感受性試験も必要と考えられた。除菌成功後の胃・十二指腸潰瘍再燃症例の5例に関して、2例は除菌判定時にPPIを内服中であり、除菌判定が不適切であった可能性が考えられた。1例はNSAIDs潰瘍、1例は過酸状態が要因と考えられた。もう1例は除菌後のH.pylori再陽性例であり、再感染や除菌判定の偽陰性の可能性が考えられた。
索引用語 H.pylori, 除菌