セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-H.pylori

タイトル 消P-98:

ミャンマーの二都市(ヤンゴン,ネーピードー)におけるHelicobacter pylori感染,背景胃粘膜の比較

演者 松久 威史(日本医大多摩永山病院・消化器科)
共同演者 重田 明子(日本橋・重田胃腸科外科クリニック), 山田 宣孝(日本医大・統御機構病理学)
抄録 【目的】ミャンマー連邦共和国では南部に比べ北部で胃癌罹患率の高いことが知られている.ミャンマー連邦旧首都ヤンゴン,新首都ネーピードー(ヤンゴンの北325km)において内視鏡検査を行った症例のHelicobacter pylori(H. pylori)感染,背景胃粘膜を比較観察した.【対象と方法】ヤンゴン,ネーピードーで内視鏡検査を行った腹部愁訴のある症例の年齢,性別,内視鏡診断をマッチさせた103組(206例)を用いた(平均年齢40.2歳:40.4歳,男女比77:26).内視鏡検査はわれわれが自身で行い,3点生検切片の病理組織診断はUpdated Sydney systemに従った.その際,#1は前庭部下部大彎側,#2は胃体上部大彎側,#3は胃体下部小彎側から採取した.【成績】ヤンゴン,ネーピードーのH. pylori感染率は相違を示さなかった(各々60.2%,69.9%,P=0.2031).消化性潰瘍の比(胃潰瘍/十二指腸潰瘍比)は各々0.31,0.10だった(P=0.18).H. pylori陽性例における背景胃粘膜の炎症,活動性,腺萎縮,腸上皮化生スコア平均値を3点生検切片を用いて比較すると,#3の炎症,腸上皮化生スコアを除き近似していた.【結論】ヤンゴン,ネーピードーのH. pylori感染率,胃潰瘍/十二指腸潰瘍比に相違はみられなかった.ミャンマー人の胃癌罹患率は低く(対人口10万人:11.2),背景胃粘膜にも大きな相違はなく,ヤンゴン,ネーピードー間の地域差は認められなかった.本研究に協力頂いた日本医科大学外科三樹勝元教授,三樹のぶ子,坂元優美,木戸照子,三谷利子看護師に深謝致します.
索引用語 Helicobacter pylori, ミャンマー