セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-H.pylori

タイトル 消P-100:

一般診療所におけるヘリコバクターピロリ除菌療法の検討

演者 小島 明(小島内科医院)
共同演者
抄録 【目的】一般診療所におけるヘリコバクターピロリ(以下HP)除菌療法についてレトロスペクティブに検討する。【方法】(対象)平成17年4月から平成23年1月までの間にHP除菌療法を施行した218例(男性85例、女性133例、年齢28~85歳、平均年齢59.9±13.1歳)。(治療)1次除菌はラベプラゾール、アモキシシリン、クラリスロマイシンの3剤併用療法を7日間、2次除菌はラベプラゾール、アモキシシリン、メトロニダゾールの3剤併用療法を7日間施行し、下痢予防のため酪酸菌製剤を7日間併用。(検査)HP感染の有無は血中HP抗体又は尿素呼気試験にて確認し、除菌の成否は除菌療法施行6~8週間後に尿素呼気試験にて判定。【成績】1次除菌成功率83.0%、1次除菌不成功の38例中37例に2次除菌を施行し成功率75.7%、1次及び2次除菌合計の成功率は95.4%。年度別では1次除菌成功率は平成17年度14例中14例成功で100%、平成18年度17例中15例成功で88.2%、平成19年度34例中30例成功で88.2%、平成20年度42例中37例成功で88.1%、平成21年度44例中37例成功で84.1%、平成22年度67例中47例で70.1%。2次除菌成功率は平成18年度2例中2例で100%、平成19年度3例中2例成功で67%、平成20年度5例中5例成功で100%、平成21年度7例中4例成功で57%、平成22年度20例中15例成功で75.0%。5例の残胃に対するHP除菌は全例1次除菌不成功で2次除菌成功も1例(20%)のみ。(有害事象)1次除菌では下痢34例(15.6%)、苦味30例(13.8%)、腹痛13例(6.0%)、味覚鈍麻3例(1.4%)、嘔気、嘔吐1例(0.5%:3日目で治療中止)。2次除菌では下痢と苦味が各々3例(8.1%)で治療中止例はなかった。【結論】HP除菌療法は1次、2次共に過去2年間成功率が大幅に低下しており3次除菌の検討が必要と思われる。また残胃に対するHP除菌成績は1次及び2次共に極めて不良であり、何らかの治療上の工夫が必要と思われる。
索引用語 H.pylori, 除菌