セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-H.pylori

タイトル 消P-101:

当院におけるHelicobacter pylori除菌療法の現状

演者 吉岡 正博(高松赤十字病院・消化器科)
共同演者 野田 晃世(高松赤十字病院・消化器科), 森岡 弓子(高松赤十字病院・消化器科), 上田 祐也(高松赤十字病院・消化器科), 大原 芳章(高松赤十字病院・消化器科), 野上 明子(高松赤十字病院・消化器科), 小川 力(高松赤十字病院・消化器科), 松中 寿浩(高松赤十字病院・消化器科), 玉置 敬之(高松赤十字病院・消化器科), 柴峠 光成(高松赤十字病院・消化器科)
抄録 高松赤十字病院は香川県高松市街中心部にある病床数589床の総合病院であり、地域の中核病院として医療を提供している。当院ではHelicobacter pylori(以下HP)除菌療法の大半は消化器内科が外来診療の一部として担当しており、専門外来は特に設けていない。
当院に電子カルテシステムが導入された2007年5月~2011年3月の間に当院で除菌療法を施行し、除菌効果判定も終了している症例を対象とし、当院での除菌療法の現状について検討した。
解析対象は386症例であり、合計454回の除菌療法がおこなわれている。原疾患は大部分が消化性潰瘍、胃癌治療後であったが、鉄欠乏性貧血が10例、特発性血小板減少性紫斑病が3例、胃MALTリンパ腫が2例含まれている。HPの感染診断は迅速ウレアーゼ試験、血清HP抗体で主になされており、効果判定は尿素呼気試験が最多であった。
副作用の下痢の予防のために、整腸剤を予防的に投与している症例が136例あり、整腸剤併用の除菌は152回行われている。1次除菌は373例(男性226例、女性147例)に施行され、年齢は12歳~91歳までで平均は57.5歳であった。1次除菌成功例は286例(76.7%)、失敗例は87例(23.3%)であった。2次除菌は78例に実施し、男性51例、女性27例、年齢は15歳~85歳までで平均は55.9歳であった。2次除菌成功例は72例(92.3%)、失敗例は6例(7.7%)であった。また、PPI、AMPC、CAM、MNZの4剤併用による治療が3例に行われ、いずれも除菌は成功している。
除菌の成功率に影響を与える因子に関しても検討を行った。性別、整腸剤併用の有無、CAM投与量、MNZ投与量では除菌成功率に差が見られなかった。当院での検討では、使用するPPIの種類により、除菌成功率に差がみられる傾向にあった。
現在除菌療法を実施中の症例も複数あり、それらの結果も含め、また文献的考察も踏まえて当院でのHP除菌療法の現状について報告する。
索引用語 ヘリコバクターピロリ, 除菌療法