セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胃-H.pylori3 |
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タイトル | 消P-102:異なるPPIに基づいたHelicobacter pylori一次除菌法の比較検討 |
演者 | 赤沼 真夫(朝日生命成人病研究所・消化器科) |
共同演者 | 山地 裕(東京大・消化器内科), 平田 喜裕(東京大・消化器内科), 柳内 綾子(朝日生命成人病研究所・消化器科), 渡部 宏嗣(東京大・消化器内科), 杉本 貴史(東京大・消化器内科), 山田 篤生(東京大・消化器内科), 高野 範之(東京大・消化器内科), 神部 晴香(東京大・消化器内科), 磯村 好洋(東京大・消化器内科), 吉田 俊太郎(東京大・消化器内科), 坂本 啓(朝日生命成人病研究所・消化器科), 小池 和彦(東京大・消化器内科) |
抄録 | 【目的】H.pyloriに対する三剤併用一次除菌療法(PPI/Amoxicillin/Clarithromycin)において使用されるPPIとして、Lansoprazoleを用い、コンプライアンスを上げるため三剤をひとつのシートに入れた形(ランサップ)で投与する「LAC療法」と、PPIとしてLansoprazoleに比してその代謝に対するCYP2C19遺伝子多型の影響が少ないといわれるRabeprazoleを用いた「RAC療法」の、除菌率及び副作用出現率について比較検討する。【方法】2008.1~2010.11に東京大学医学部附属病院または朝日生命成人病研究所にて上部内視鏡を施行し、胃潰瘍または十二指腸潰瘍(瘢痕含む)が確認され、培養、RUTまたはUBTでH.pylori感染が確認された患者を対象とした。これらを中央登録方式により無作為に2群に割り付け、1群にはLAC療法による除菌治療を行い、他群にはRAC療法による除菌治療を行った。除菌治療の8-12週後にUBTによる除菌判定を行った。副作用は、軽度:副作用あったが無処置で投与継続可能、中等度:副作用あったがなんらかの処置で投与継続可能、重度:副作用のため投与中止、の3段階で評価した。【成績】一次除菌成功率は、ITT解析でLAC群81.4%(79/97)対RAC群76.6%(72/94):P=0.410、PP解析でLAC群85.9%(79/92)対RAC群80.0%(72/90):P=0.292であり、有意差は認めなかった。中等度以上の副作用出現率も、LAC群4.4%(4/91)対RAC群5.6%(5/89):P=0.706であり、有意差は認めなかった。重度の副作用は、LAC群で発疹1例と嘔吐倦怠感が1例、RAC群で腹痛が1例、下痢が1例、腹痛及び下痢が1例であった。Clarithromycin耐性が確認されたH.pyloriに対する除菌率は、LAC群50%(7/14)、RAC群50%(3/6)であった。【結論】Lansoprazoleに基づいた3剤一包型のLAC療法と、Rabeprazoleに基づいたRAC療法によるH.pylori一次除菌率及び副作用出現率には有意な差は認めなかった。 |
索引用語 | Helicbacter pylori, 一次除菌療法 |