セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胃-H.pylori3 |
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タイトル | 消P-104:当院におけるヘリコバクターピロリ除菌の現況~三次除菌の検討~ |
演者 | 神戸 大介(県立奈良病院・消化器内科) |
共同演者 | 関 建一郎(県立奈良病院・消化器内科), 澤田 保彦(県立奈良病院・消化器内科), 佐藤 芳樹(県立奈良病院・消化器内科), 永松 晋作(県立奈良病院・消化器内科), 橋本 耕二(県立奈良病院・消化器内科), 松尾 英城(県立奈良病院・消化器内科), 中谷 敏也(県立奈良病院・消化器内科), 菊池 英亮(県立奈良病院・消化器内科) |
抄録 | 【はじめに】2000年9月から、消化性潰瘍を対象にHelicobacter pylori(HP)除菌療法が保険適用となり、2007年8月にはMNZを用いた二次除菌治療が保険承認された。しかし、抗菌薬の耐性化による除菌率の低下が問題となっている。今回、2000年7月から2010年12月までの当科におけるHP除菌率の変遷および三次除菌に関して検討したので報告する。【方法】対象は2000年7月から2010年12月の間にHP除菌治療を行った1071症例で、その内訳は胃、十二指腸潰瘍が約60%であった。感染診断は迅速ウレアーゼ試験、尿素呼気試験、血清抗HP抗体の測定で行った。除菌判定は除菌治療終了後2か月以上経過した時点で尿素呼気試験を行った。一次除菌はCAM(400-800mg)・PPI(LPZ 60mg or OPZ 40mg)・AMPC(1500mg)/日を7日投与し、二次除菌はMNZ(500mg)・PPI(LPZ 60mg or OPZ 40mg)・AMPC(1500mg)/日を7日投与した。さらに二次除菌不成功例に対してLVFX(1000mg)・PPI(OPZ 40mg)・AMPC(2000mg)/日を10日投与し三次除菌を行った。【結果】一次除菌率は2001年に87.6%であったが、年々低下し2010年は66.1%であった。一次除菌不成功例のうち薬剤感受性試験を行いえた35例は全例CAM耐性であった。二次除菌療法を行った対象は112例で、その除菌率は2001~2006年では100%であったが、その後は年々低下し2010年は73.6%であった。三次除菌の対象は10例(男性6例、女性4例、平均年齢75.2±4.5歳、胃潰瘍6例、十二指腸潰瘍2例、早期胃癌の内視鏡治療後1例、ITP1例)であった。三次除菌率は80%であった。三次除菌成功例に明らかな傾向は認められなかった。【結論】CAMおよびMNZを用いたHP除菌率は年々低下傾向にあるが、LVFXを用いた三次除菌率は80%であり、三次除菌まで行えば約98%の除菌率となることが予測される。例数は少ないが重篤な副作用がなく、LVFXを用いた三次除菌は有用な治療法と考えられる。 |
索引用語 | ヘリコバクターピロリ, 除菌療法 |