セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-H.pylori

タイトル 消P-105:

当院におけるHelicobacter pylori (HP)感染症に対する三次除菌の現状

演者 芳賀 祐規(東京厚生年金病院・消化器内科)
共同演者 松本 政雄(東京厚生年金病院・消化器内科), 山川 元太(東京厚生年金病院・消化器内科), 湯川 明浩(東京厚生年金病院・消化器内科), 森下 慎二(東京厚生年金病院・消化器内科), 佐藤 芳之(東京厚生年金病院・消化器内科), 新村 和平(東京厚生年金病院・消化器内科)
抄録 【目的】HP感染症に対して、一次除菌、二次除菌とも保険収載となり、除菌治療の幅が広がってきている。しかし、耐性菌の増加による二次除菌失敗例や、アレルギーなどで通常の除菌薬が使用できない症例など三次除菌も必要となってきており、検討が必要である。今回、当院で施行された三次除菌症例について検討したので報告する。【対象】平成8年2月より除菌治療を開始した1420例のなかで、薬剤感受性菌は836例、Clarithromycin CAM耐性は337例であった。一次除菌率は91.1%であり、二次除菌率は88.3%であった。除菌治療を施行したうち、二次除菌失敗例(CAM耐性)、多剤耐性例(CAM、Amoxicillin AMPC、Metronidazole MNZ)、薬剤アレルギー例(ペニシリンアレルギーなど)の28例を三次除菌症例として検討した。【結果】Proton pump inhibitor(PPI)+MNZ+minocycline MINOでの治療例は、除菌率は76%(13/17)、PPI+AMPC+MINOでの除菌率は25%(1/4)、PPI+CAM+MNZでの除菌率は100%(6/6)、PPI+AMPC+Levofloxacin LVFXでの除菌率は100%(1/1)、PPI+MNZ+LVFXでの除菌率は100%(1/1)であった。副作用としては、PPI+MNZ+MINO例で3例、便秘、除菌治療後約1週間の食思不振、味覚異常を認めた。【考察】三次除菌治療薬としてはMINOを使用したレジュメが比較的成績もよく、副作用も少なく使用可能と考えた。LVFXによる治療はより効果的と考えられるが、現状では四次除菌以降の選択肢と考えたい。【結語】当院でのHP感染症に対する三次除菌の現状を報告した。
索引用語 Helicobacter pylori, 三次除菌