セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-H.pylori

タイトル 消P-106:

感受性試験を用いたHelicobacter pylori除菌療法の工夫

演者 西林 宏之(社会保険神戸中央病院・消化器内科)
共同演者 宮川 徹(社会保険神戸中央病院・消化器内科), 婦木 秀一(社会保険神戸中央病院・消化器内科), 山内 紀人(社会保険神戸中央病院・消化器内科), 松田 英士(社会保険神戸中央病院・消化器内科), 藤原 晃(社会保険神戸中央病院・消化器内科), 山名 順子(社会保険神戸中央病院・内科), 土井 喜宣(大手前病院・消化器内科), 安田 光徳(社会保険神戸中央病院・消化器内科)
抄録 【目的】近年Helicobacter  pylori (以下Hp)除菌治療の必要性が高まる一方でその成功率の低下が問題になっている。以前我々は感受性試験の結果から、CAM耐性菌に対する標準治療の一次除菌成功率が38%であることを報告してきた。今回、除菌率をupする目的で感受性試験の結果により、除菌レジメの変更を行いその効果を検討した。【方法】平成22年4月から23年3月までに当院で内視鏡検査時の生検からHpが分離できCAM、AMPC、MNZの感受性試験を施行した82例中、除菌治療を希望した32例(F13,M19 62.2±9.8歳)を対象とした。除菌治療はCAMに非耐性の場合PPI,CAM,AMPCを、CAMに耐性の場合、十分なICをとり最初からPPI,AMPC,MNZをそれぞれ1週間使用した。同時期にUBTまたはRUTでHp感染が確認でき標準治療で除菌治療を施行した23例(F5,M18 65.0±11.2歳)を対照群とした。両群ともコンプライアンスを高める努力をし、副作用予防にBfRを投与した。除菌判定は投薬終了後1-2ヵ月の間にUBTで判定し、両群の除菌率を比較検討した。【結果】82例の感受性試験の結果はAMPCに4.9%(4/82)、CAMに35.4%(29/82)、MNZに6.1%(5/82)の耐性菌を認めた。除菌治療した32例の感受性試験群ではAMPCに6.3%(2/32)、CAMに37.5%(12/32)、MNZに9.4%(3/32)の耐性菌を認めた。20例にPPI、CAM、AMPC投与し全員除菌成功。CAM耐性の12例にPPI,AMPC,MNZ投与し11例除菌成功。一次除菌率は96.9%(31/32)。対照群23例は全員PPI、CAM、AMPC投与し14例除菌成功で一次除菌率60.9%(14/23)。χ2検定で両群間の性、年齢には有意差がなく、感受性試験群のほうが有意差(P<0.01)をもって除菌率が高かった。両群ともメニューを変更して2次除菌、3次除菌をし全員が除菌できた。【結論】事前に感受性試験をして除菌レジメを選択することは有用な方法であり、除菌目的の患者は事前にHpの感受性を調べることが望ましいと考える。
索引用語 ヘリコバクターピロリ, 除菌治療