セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胃-NSAIDs、ステロイド |
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タイトル | 消P-111:【低用量アスピリンによる胃粘膜傷害と抗潰瘍薬併用及び胃粘膜萎縮についての解析】 |
演者 | 山口 大輔(済生会千里病院・内科) |
共同演者 | 高山 和宣(済生会千里病院・内科), 水野 龍義(済生会千里病院・内科), 有光 晶子(済生会千里病院・内科), 後藤 靖和(済生会千里病院・内科), 奥田 偉秀(済生会千里病院・内科), 堀本 雅祥(済生会千里病院・内科), 鈴木 都男(済生会千里病院・内科) |
抄録 | 【背景・目的】 抗血栓薬内服患者での消化性潰瘍では症状が少なく、吐下血にて初めて診断されることが多い。近年、低用量アスピリンとプロトンポンプ阻害薬(PPI)の併用についての話題が多いが、その功罪について一致したコンセンサスが得られていないのが現状である。 今回、我々は抗潰瘍薬内服により低用量アスピリン服用に伴う胃粘膜傷害をどれくらい予防できるのか、また胃粘膜萎縮の程度と関連があるのかを明らかにする。 【方法】 2010年1月1日から12月31日までの1年間に当院の外来で低用量アスピリンを処方された患者869人をリストアップし、この期間中に上部消化管内視鏡検査を施行された患者71人についてm-Lanza scoreによる胃粘膜傷害および木村・竹本分類による内視鏡的胃粘膜萎縮、抗潰瘍薬(PPI、H2RA、粘膜保護薬)併用について調べ、抗潰瘍薬併用により低用量アスピリンによる胃粘膜傷害がどれくらい抑制されるのか、またベースの胃粘膜萎縮と低用量アスピリンによる胃粘膜傷害についての関連について検討してみた。 【成績】 低用量アスピリン内服患者71人中の胃全摘後の1人を除いた70人の平均のm-Lanza scoreは1.47であった。いずれかのPPI併用患者37人の平均は1.108、いずれかのH2RA併用患者23人の平均は1.15、粘膜保護薬のみ併用患者6人の平均は1.83、いずれの抗潰瘍薬も併用していない患者10人の平均は2.6であった。 また、今回検討した70人の胃粘膜萎縮の評価は、木村・竹本分類でClosed type atrophyの患者が34人でm-Lanza scoreの平均は1.471、Open type atrophyの患者が36人でm-Lanza scoreの平均は1.472であった。 【結論】 低用量アスピリン服用に伴う胃粘膜傷害はPPI>H2RA>粘膜保護薬併用の順に抑制されていたが、胃粘膜萎縮の程度とは関連がなかった。 |
索引用語 | 低用量アスピリン, 胃粘膜萎縮 |