セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-GIST

タイトル 消P-117:

胃粘膜下腫瘍に対するEUS-FNAの有用性と問題点

演者 原田 賢一(鳥取大・機能病態内科)
共同演者 生田 幸広(鳥取大・機能病態内科), 今本 龍(鳥取大・機能病態内科), 林 暁洋(鳥取大・機能病態内科), 池淵 雄一郎(鳥取大・機能病態内科), 武田 洋平(鳥取大・機能病態内科), 佐々木 修治(鳥取大・機能病態内科), 安部 良(鳥取大・機能病態内科), 松本 和也(鳥取大・機能病態内科), 香田 正晴(鳥取大・機能病態内科), 河口 剛一郎(鳥取大・機能病態内科), 八島 一夫(鳥取大・機能病態内科), 村脇 義和(鳥取大・機能病態内科)
抄録 【はじめに】消化管粘膜下腫瘍(SMT)に対する超音波内視鏡下穿刺吸引生検(EUS-FNA)は病理学的診断を得るのに有用かつ安全な検査法である.我々は,消化管SMTに対してEUS-FNAを積極的に行っており,今回は胃SMTに対する成績について報告する.【対象・方法】2007年1月から2011年3月までにEUS-FNAを施行した20例(穿刺件数22件)とした.EUS-FNA施行までに通常内視鏡及び主に細径プローブにて観察を行い,胃壁内の局在や内部性状を把握した.EUS-FNAは,内視鏡をUCT240-AL5(Olympus),観測装置をProSound α10(Aloka)使用し,穿刺針は主に22Gを用いた.【成績】平均腫瘍径は25.6mm(8~67mm),腫瘍存在部位は前庭部2例,体部14例,穹隆部4例であった.検体採取率は86.4%,EUS-FNAでの病理診断は,GIST12例,平滑筋腫2例,神経鞘腫1例,異所性膵1例,診断不可(検体採取不十分例も含む)4例であった.切除術施行例は10例あり,その中で2例は術前後で病理診断が異なった.EUS-FNAでは平滑筋腫と診断されたが,径50mmであったため切除しGISTと診断された1例,EUS-FNAでは紡錘形細胞が採取されたが免疫染色で確定診断ができず,術後に神経鞘腫と診断された1例であった.偶発症は認めなかった.【考察】当科における胃SMTの検体採取率・診断率は,これまでの報告と同様であり,その有用性,安全性を確認することができた.検体採取に関しては,胃前庭部及び小病変は検体採取が困難であった.穿刺針に関しては,22G針でも免疫染色可能な検体量を十分に採取することができたが,一部の症例ではEUS-FNAでの病理診断と術後病理診断が異なっており,その取り扱いに注意を要することも分かった.【結語】胃SMTに対するEUS-FNAの有用性,安全性が確認できた.診断に関しては総合的に判断することが重要であった.
索引用語 胃粘膜下腫瘍, EUS-FNA