セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
胃-良性疾患1
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タイトル |
消P-120:血液透析患者の機能性ディスペプシアに対する六君子湯の有用性
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演者 |
萩原 誠也(萬田記念病院・腎臓内科DELIMITER萬田記念病院・内科) |
共同演者 |
名和 伴恭(萬田記念病院・腎臓内科), 佐川 保(札幌医大・4内科), 種田 紳二(萬田記念病院・内科), 三澤 和史(萬田記念病院・内科), 土田 健一(萬田記念病院・内科), 秋元 祐子(萬田記念病院・内科), 坂東 秀訓(萬田記念病院・内科), 中山 秀隆(萬田記念病院・内科), 萬田 直紀(萬田記念病院・内科) |
抄録 |
【目的】血液透析患者では消化管運動機能低下により機能性ディスペプシア(functional dyspepsia ; FD)が多く認められる.これに対し近年,漢方薬である六君子湯の有効性が報告されている.今回我々は血液透析患者のFDに対する六君子湯の有効性を検討した.【方法】対象は血液透析患者でFDと診断されオメプラゾール20mg/dayの6ヶ月以上の投与が無効であった20名.文書同意を得た後,六君子湯投与前と投与4週間後に,FD症状の質問を加えたGSRS (gastrointestinal symptom rating scale),WHOQOL26の質問票を用いて,患者の消化器症状及び生活全体のquality of life (QOL)を評価した.【結果・結論】GSRSによる評価では,FDの症状だけでなく腹痛,酸逆流,消化不良,下痢,便秘全ての症状で有意な改善効果が認められた.WHOQOL26による評価では,心理学的領域及び生活全般領域で有意なQOLの改善が認められた.また,血液検査による評価での総蛋白の有意な上昇と,心胸郭比の低下が認められ,栄養状態が改善された可能性があることが示唆された.六君子湯は,血液透析患者のFDをはじめとする機能性消化管障害に対する安全かつ有効な治療の選択肢となり得ると考えられた. |
索引用語 |
機能性ディスペプシア, 六君子湯 |