セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-良性疾患1

タイトル 消P-123:

当院におけるLDA関連出血性潰瘍の検討

演者 間嶋 淳(京都第一赤十字病院・消化器科)
共同演者 戸祭 直也(京都第一赤十字病院・消化器科), 陶山 遥介(京都第一赤十字病院・消化器科), 豊川 優希(京都第一赤十字病院・消化器科), 中野 貴博(京都第一赤十字病院・消化器科), 小野澤 由里子(京都第一赤十字病院・消化器科), 北市 智子(京都第一赤十字病院・消化器科), 田中 信(京都第一赤十字病院・消化器科), 川上 巧(京都第一赤十字病院・消化器科), 鈴木 隆裕(京都第一赤十字病院・消化器科), 世古口 悟(京都第一赤十字病院・消化器科), 鎌田 和浩(京都第一赤十字病院・消化器科), 中村 英樹(京都第一赤十字病院・消化器科), 佐藤 秀樹(京都第一赤十字病院・消化器科), 奥山 祐右(京都第一赤十字病院・消化器科), 木村 浩之(京都第一赤十字病院・消化器科), 吉田 憲正(京都第一赤十字病院・消化器科)
抄録 【目的】出血性潰瘍の原因として、非ステロイド性消炎鎮痛薬(non-steroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs)や低用量アスピリン(low dose aspirin:LDA)起因性潰瘍病変が指摘されている。当院における出血性潰瘍診療の現状をもとに、LDAが関与する出血性潰瘍の特徴について、特にNSAIDs潰瘍と比較し検討する。【方法】2007年4月から2011年2月まで(過去3年11カ月間)に当院にて加療した出血性潰瘍226例(男性152例、女性74例、平均年齢67歳、胃潰瘍172例、十二指腸潰瘍54例)を対象とし、LDAおよびNSAIDs関連の出血性潰瘍の臨床的検討を行った。 【成績】全症例のうちLDA内服は46例、NSAIDs内服は48例、両者併用は12例であり、LDA関連の出血性潰瘍は20.4%であった。平均年齢はLDA関連で73.0歳、NSAIDs関連では71.7歳でありいずれも出血性潰瘍全体より高齢である傾向がみられた。両者併用例では76.1歳とさらに高齢であった。抗潰瘍薬の投薬状況は、出血性潰瘍全体では21.7%(49/226例、PPI9例、H2RA11例、防御因子増強薬28例、不明1例)であったが、LDAのみ内服の症例では26.5%(9/34例、各々0例、3例、6例、0例)、NSAIDsのみ内服の症例では52.8%(19/36例、各々2例、2例、14例、1例)であった。両者併用の症例では61.5%(8/13例、各々2例、1例、5例、0例)であった。【結論】当院において加療した出血性潰瘍のうちLDA内服例は2割程度を占め、出血性潰瘍の原因としては無視できない数となっている。出血性潰瘍のうち、NSAIDs内服患者では約半数が、LDA内服患者に関してはそれを上回る約7割が抗潰瘍薬を投薬されていない状況であり、LDA関連潰瘍に対する予防の意識の低さが示唆された。LDA関連の出血性潰瘍は高齢で発症する傾向があり、出血時には重篤となる可能性も高いと思われるため、抗潰瘍薬を用いた積極的な予防が必要であると考えられる。
索引用語 低用量アスピリン, 出血性潰瘍