セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-良性疾患1

タイトル 消P-125:

特発性胃前庭部潰瘍症例の検討

演者 山根 建樹(国際医療福祉大塩谷病院・消化器内科)
共同演者 竹田 明彦(国際医療福祉大塩谷病院・外科), 石井 隆幸(さんいく会ファミリークリニック), 森實 敏夫(国際医療福祉大塩谷病院・消化器内科)
抄録 【目的】胃前庭部潰瘍の原因はHp感染であることは少なくNSAIDsに起因する場合が多いが、他の要因としてはアレンドロネートなどの薬剤や単純ヘルペスウイルス感染などが挙げられる。しかしこれらの原因や他の要因も否定され特発性と考えられた胃前庭部潰瘍例を数例経験したため、その臨床的特徴について考察した。【方法】当院および関連施設において最近の過去5年間で診療された特発性の胃前庭部潰瘍症例を集計し、臨床像、内視鏡所見、治療経過などについて検討を加えた。【成績】当該例は6例であり、同期間の胃潰瘍症例中1.3 %の発生頻度であった。全例周囲の粘膜浮腫をともなう長径1cm以下の比較的小型の潰瘍で、大彎を中心に認められた。多発例と単発例が半々で、いずれも前庭部の他部位に発赤びらんの併存がみられた。患者はみな中高年で女性が5例と多く、半数が出血歴を有していた。4例がPPI投与に抵抗性を示し難治であり、うち1例では24時間胃内pH monitoringが施行されNABがみられたためH2-RAの追加投与を行ったところ有効であった。また他の難治例1例においても同治療が効果的であった。【結論】6例は共通点が多く同じ病態であることが疑われ、成因としては粘膜面の擦過および胃酸の関与が推測された。
索引用語 特発性胃潰瘍, 胃前庭部潰瘍