セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-良性疾患2

タイトル 消P-128:

超高齢者の出血性胃潰瘍における臨床的特徴と内視鏡的治療成績

演者 宮木 英輔(広島市立安佐市民病院・内科)
共同演者 上田 裕之(広島市立安佐市民病院・内科), 永田 信二(広島市立安佐市民病院・内視鏡科)
抄録 【目的】超高齢者における出血性胃潰瘍の臨床的特徴と内視鏡的治療成績について検討する。【対象と方法】対象は2010年10月までに当院において吐・下血のため,緊急上部消化管内視鏡検査を施行した出血性胃潰瘍409例(男性295例,女性114例)。これらを80歳以上の超高齢者をA群,80歳未満の非超高齢者群をB群の2群に分け臨床的特徴と内視鏡的治療成績について検討した。検討項目は年齢,性別,合併症,最低Hb値8g/dl以下の割合,輸血率,再出血率,止血困難例,潰瘍既往,H.pylori感染,NSAID,抗凝固・抗血小板剤内服率,H2RA,PPI内服率である。【結果】平均年齢はA群:84.6±3.4歳,B群:62.5±11.3歳。性別(M/F)はA群:34/38,B群:261/76。Hb値(8g/dl以下)の割合はA群:48.6%(35/72),B群:25.8%(87/337),輸血率はA群:72.2%(52/72),B群:43.9%(148/337),合併症を有する割合はA群:95.8 %(69/72),B群:68.2%(230/337)ですべての項目においてA群はB群と比較して有意に高率であった。再出血率はA群:11.1%(8/72),B群:5.3%(18/337),内視鏡的止血率は,A群:100%(72/72),B群:98.2%(331/337)で差を認めなかった。潰瘍既往歴は,A群:25.0%(18/72),B群:36.8%(124/337)でB群はA群と比較して高い傾向にあった。H.pylori感染率はA群:49.0%(24/49),B群:73.0%(197/260)で,B群で有意に高率であった。NSAID内服率はA群:51.3%(37/72),B群:27.6%(93/337)でA群はB群と比較して有意に高率であった。抗凝固・抗血小板剤内服率では差を認めなかった。H2RA内服率はA群:28.6%(14/69),B群:14.0%(46/328),PPI内服率はA群:5.8 %(4/69),B群:3.9%(13/330)で全体的に内服率は低かったが,H2RA内服率はPPI内服率に比較して高く,それぞれA群はB群に比較して高い傾向にあった。【結語】超高齢者群は非超高齢者群に比べて貧血,輸血率,合併症を高率に認め再出血率は高かったが,最終的な内視鏡的止血率に差を認めなかった。NSAID内服率は超高齢者群に有意に高率で,潰瘍既往歴,H.pylori感染は非超高齢者群に多かった。
索引用語 出血性胃潰瘍, 超高齢者