セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胃-良性疾患2 |
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タイトル | 消P-130:出血性胃十二指腸潰瘍の内視鏡的止血困難例に対する血管内治療 |
演者 | 林 雅博(新潟市民病院・消化器内科) |
共同演者 | 和栗 暢生(新潟市民病院・消化器内科), 米山 靖(新潟市民病院・消化器内科), 大杉 香織(新潟市民病院・消化器内科), 河久 順志(新潟大大学院・消化器内科学), 濱 勇(新潟大大学院・消化器内科学), 相場 恒男(新潟市民病院・消化器内科), 古川 浩一(新潟市民病院・消化器内科), 杉村 一仁(新潟市民病院・消化器内科), 五十嵐 健太郎(新潟市民病院・消化器内科) |
抄録 | 【はじめに】出血性胃十二指腸潰瘍は消化器医の遭遇する救急疾患の中でも、最も頻度が高い疾患の一つである。殆どは緊急内視鏡により止血がなされるが、ごく一部の止血困難例に対しては、救命のため外科的手術を行う場合が多い。しかし一部には、その動脈性出血に対する経カテーテル的動脈塞栓術(TAE)が有用な場合もあるとされる。今回我々は内視鏡的止血困難例に対してTAEを施行した症例をまとめて報告する。【症例】2009年~2010年に胃十二指腸潰瘍出血にて当院に入院し、内視鏡的に止血困難なため腹部血管造影を施行し、TAEを行った5例。年齢は67.2歳(61~73歳)で、全例男性であった。3例は緊急内視鏡にて、クリップおよびHSEにて止血したが、不完全に終わり、血管造影に移行。潰瘍底へ続く責任血管の同定から、選択的なマイクロコイルによるTAEを行って止血。経過良好で退院して、潰瘍の治癒まで確認した。1例は緊急内視鏡による止血は不能に終わり、緊急手術施行(潰瘍縫縮術)。しかし、左胃動脈分枝の仮性動脈瘤を形成し、同潰瘍から再出血したためTAEにて止血した。1例はクリップサイズに比して非常に太い露出血管にて、内視鏡的止血は躊躇し、血管造影に移行。しかし左胃動脈分枝のTAEを進める際に、左胃動脈自体に解離が起き、さらにコイル・カテーテルトラブルで不完全治療となった。1週間後に再出血し、緊急手術(胃切除)にて救命された。【考察】潰瘍底露出血管に対するクリップはIVR時に標的となり、有用であった。出血性胃十二指腸潰瘍内視鏡的止血困難例に対するTAEは手術回避のメリットもあり、試みる価値ある治療と思われたが100%の治療ではない。当院の出血性胃十二指腸潰瘍入院加療症例の現況を解析し、TAEの位置づけを評価したい。今後は内視鏡的止血やIVR手技の向上に加えて、種々の救命処置を取りうる体制の整備も重要と思われた。 |
索引用語 | 出血性胃十二指腸潰瘍, TAE |