セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胃-癌1 |
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タイトル | 消P-131:日本人における胃癌発症予測モデルの作成:久山町研究 |
演者 | 飯田 真大(九州大大学院・環境医学DELIMITER九州大・病態機能内科) |
共同演者 | 池田 文恵(九州大大学院・環境医学DELIMITER九州大・病態機能内科), 志方 健太郎(九州大大学院・環境医学DELIMITER九州大・病態機能内科), 二宮 利治(九州大大学院・環境医学DELIMITER九州大・病態機能内科), 松本 主之(九州大・病態機能内科), 清原 裕(九州大大学院・環境医学) |
抄録 | 【目的】胃癌は我が国における癌死亡の主な原因疾患である。胃癌発症の高リスク者を同定しリスクに応じたスクリーニング法を設定し危険因子の修正をはかることは、その予防手段として有用である。本研究では久山町における地域一般住民を対象とした追跡調査の成績をもとに、将来の胃癌発症を予測するリスクスコアを作成した。 【方法】1988年に久山町の住民健診を受診した40歳以上の住民2,742名(受診率80.1%)のうち、胃切除歴または胃癌の既往のある者、追跡開始時の健診で測定項目に不備のある者を除いた2,446名を本研究の対象とし、19年間追跡した。Cox比例ハザードモデルを用いて各危険因子と胃癌発症との関連を検討し、backward法により最終モデルを決定した。各危険因子におけるβ値をもとに整数のスコア値を算出し、スコア値の総和を各個人の胃癌リスクスコアとした。 【成績】追跡期間中に120例(男性83例,女性37例)の胃癌発症を認めた。胃癌発症予測モデルには、backward法により選ばれた性、年齢、H. pylori 抗体価・ペプシノゲン値併用法、ヘモグロビンA1c値、喫煙の有無の5項目を用いた。対象者をリスクスコア値により4群に分けて各群の胃癌罹患率(対1,000人年)を求めると、第1群(0~15点)0.3、第2群(16~25点)1.3、第3群(26~32点)2.2、第4群(33~56点)4.5となり、リスクスコア値の増加とともに胃癌罹患率は有意に上昇した(p for trend<0.01)。また各群における10年間の累積胃癌罹患率は、それぞれ第1群0.5%、第2群1.1%、第3群2.2%、第4群8.0%であった。胃癌発症予測モデルのリスク判別能を示すC統計量は0.77だった。 【結論】健診で測定可能な項目を用いて胃癌発症の予測モデルを作成した。胃癌死亡率の減少に寄与することが期待される。 |
索引用語 | 胃癌健診, リスクスコア |