セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-癌2

タイトル 消P-136:

HER2陽性胃癌の臨床病理学的検討

演者 近藤 真也(愛知県がんセンター中央病院・内視鏡部)
共同演者 丹羽 康正(愛知県がんセンター中央病院・内視鏡部), 田近 正洋(愛知県がんセンター中央病院・内視鏡部), 田中 努(愛知県がんセンター中央病院・内視鏡部), 水野 信匡(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 原 和生(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 肱岡 範(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 今岡 大(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 小倉 健(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 羽場 真(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 谷田部 恭(愛知県がんセンター中央病院・遺伝子病理診断部), 山雄 健次(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科)
抄録 【目的】ToGA(Trastuzumab for Gastric Cancer)試験にて切除不能なHER2陽性胃癌に対するトラスツズマブの治療上乗せ効果が示された。これに伴い我が国でもHER2陽性胃癌に対してトラスツズマブの使用が保険収載されるに到り、胃癌治療において一つの変換期を迎えている。そこで我々はHER2陽性胃癌の臨床病理学的特徴をprospective studyにて検討した。【方法】2010年10月から同意を得られた胃癌患者より内視鏡下に採取した生検組織検体を用い、免疫染色によりHER2の発現を評価した。ToGA試験での評価に準じて 3+を陽性、2+を陽性疑い、1+および0を陰性とした。この評価を基に胃癌におけるHER2の発現の有無とその臨床的特徴について検討した。【成績】2011年2月までに36例が登録された。36例中HER2陽性4例、陽性疑い5例、陰性27例であった。陽性の4例は年齢中央値66歳(60-83)、男女比4:0、病変部位はM:3例、UML:1例、肉眼型は0-IIa:1例、0-IIc:1例、0-I+IIa:1例、3型:1例。生検組織検査にて分化型腺癌4例、未分化型腺癌0例、cStage(UICC 6th)IA:3例、IV:1例、遠隔転移(UICC 6th):1例で遠隔リンパ節、肝臓、骨転移を認めた。陰性の27例は年齢中央値66歳(42-84)、男女比16:11、病変部位はU:2例、M:14例、L:5例、UM:3例、UML:3例、肉眼型は0-IIa:1例、0IIc:7例、0-IIa+IIc:1例、0-IIc+III:2例、1型:1例、2型:4例、3型:9例、4型:2例。生検組織検査にて分化型腺癌8例、未分化型腺癌19例、cStage(UICC 6th)IA:12例、IB:3例、II:1例、IIIA:1例、IV:10例、遠隔転移(UICC 6th):遠隔リンパ節4例、肝臓1例、腹膜播種5例であった。【結論】HER2陽性例では生検組織学的に全例分化型腺癌であった。また、発見された時点で陰性例に比し表在型の頻度が高い傾向を認めた。今後も症例を集積し、その詳細を解析していく予定である。
索引用語 HER2, 胃癌