共同演者 |
安藤 孝将(富山大・3内科), 細川 歩(富山大・3内科), 中田 直克(富山大・3内科), 鈴木 庸弘(富山大・3内科), 植田 亮(富山大・3内科), 山脇 秀元(富山大・3内科), 齋藤 聖子(富山大・3内科), 三原 弘(富山大・3内科), 蓮本 祐史(富山大・3内科), 藤浪 斗(富山大・3内科), 梶浦 新也(富山大・3内科), 西川 潤(富山大・3内科), 宮嵜 孝子(富山大・3内科), 小川 浩平(富山大・3内科), 杉山 敏郎(富山大・3内科) |
抄録 |
【背景】血清CA125は卵巣癌において病勢を反映するマーカーとして有用である。今回我々は、進行・再発胃癌における血清 CA125と腹水の関係を解析し、さらに腹水貯留を伴う胃癌において、化学療法による腹水量減少の予測にCA125が有用かどうかを後方視的に検討した。【対象と方法】2006年4月から2011年2月に当院で化学療法を施行した進行・再発胃癌のうちCA125を測定した85例を対象とした。まずCA125測定値と腹水量の関係を解析した。腹水量はCT検査にて、なし、少量(骨盤腔に留まる)及び、大量(骨盤腔を超える)と分類した。次に化学療法開始前にCA125陽性(>35U/ml)かつ腹水陽性(少量,大量)であった33例について、化学療法によるCA125減少率と腹水量の変化を解析した。【結果】全症例での化学療法開始前のCA125中央値は、腹水なし/少量/大量で、20/94/325U/mlと腹水量に応じて上昇していた。このうち、CA125陽性かつ腹水陽性であった33例の年齢中央値は63歳(38-78),男/女は21/12例,PS (0/1/≧2)は1/20/12例, CA125中央値は138 U/ml (37-2884),腹水少量/大量は24/9例,肝/リンパ節転移は13/27例であった。33例において、CA125減少率が治療前に比し25%以上では17例中13例、25%未満では16例中5例でCT検査上明らかな腹水減少を認めた(p<0.01)。【結論】CA125は、腹水貯留を伴う胃癌症例で高値を示した。化学療法後のCA125測定は全例CT検査前に実施しており、CA125の低下は、腹水減少の予測に有用である可能性が示唆された。 |