セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-癌2

タイトル 消P-140:

胃癌症例における血清apoptosis marker[ M30 (CK18Asp396)]の有用性.-腫瘍マーカー・化学療法効果予測因子としての意義.-

演者 尾山 勝信(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科)
共同演者 伏田 幸夫(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 木下 淳(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 岡本 浩一(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 酒井 清祥(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 古川 浩之(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 牧野 勇(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 中村 慶史(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 林 泰寛(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 井口 雅史(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 中川原 寿俊(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 田島 秀浩(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 藤田 秀人(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 高村 博之(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 二宮 致(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 北川 裕久(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 谷 卓(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 藤村 隆(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 太田 哲生(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科)
抄録 【背景と目的】上皮細胞の構造蛋白であるcytokeratin(CK)のsubtypeのひとつであるCK18は扁平上皮癌以外のほとんどの上皮系腫瘍で発現している。腫瘍細胞にapoptosisが起こると、caspase-3によりCK18が切断され、そのfragmentがすみやかに循環血液に移行する。apoptosisは正常組織に比し腫瘍組織に多く認められるため、血清CK18 fragment値は腫瘍の量や性状などを反映することが予想される。乳癌・肺癌・大腸癌などにおいては、腫瘍の存在診断や予後因子としての有用性が報告されている。今回、胃癌症例で検討を行い、血清CK18 fragment(M30)値の腫瘍マーカーとしての有用性を検討した。さらに、化学療法の効果としての腫瘍細胞のapoptosisに着目し、化学療法時の変化を検討した。【方法】ELISA法を用いて、胃癌患者の血清M30値を測定した。さらに、化学療法前後の経時的な変化と化学療法の効果との関連につき検討を行った。【結果】胃癌患者の41%でM30値が高値を呈しており(stage1;23%, stage2;50%, stage3;50%, stage4;58%)、既存の腫瘍マーカーより陽性率が高かった(CEA;21%, CA19-9;24%)。化学療法にともなう変化の検討では、化学療法の効果が認められなかった症例ではM30値の変動はなかったが、腫瘍縮小が認められた症例においては化学療法開始早期に増加を示し、終了時には開始前より低下していた。臨床・病理学的効果ともに相関が認められた。【結論】M30値は胃癌の有用な腫瘍マーカーと考えられた。さらに、化学療法開始後早期に効果が予測できる可能性が示唆された。CK18は上皮系腫瘍のほとんどで発現しており、スクリーニングに用いるマーカーとして有用な可能性がある。
索引用語 胃癌, apoptosis