セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胃-癌3 |
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タイトル | 消P-144:胃十二指腸ステント:WallFlex Duodenal Stentの有用性の検討 |
演者 | 藤本 竜也(国保君津中央病院・消化器科) |
共同演者 | 吉田 有(国保君津中央病院・消化器科), 駒 嘉宏(国保君津中央病院・消化器科), 辻本 彰子(国保君津中央病院・消化器科), 妹尾 純一(国保君津中央病院・消化器科), 叶川 直哉(国保君津中央病院・消化器科), 三根 毅士(国保君津中央病院・消化器科), 山田 博之(国保君津中央病院・消化器科), 大部 誠道(国保君津中央病院・消化器科), 藤森 基次(国保君津中央病院・消化器科), 海保 隆(国保君津中央病院・外科), 畦元 亮作(国保君津中央病院・消化器科), 鈴木 紀彰(国保君津中央病院・消化器科), 福山 悦男(国保君津中央病院・消化器科) |
抄録 | [背景]Gastric outlet obstruction(GOO)は胃排泄部の閉塞状態を言い、胃癌・膵癌・胆道癌などの悪性消化器疾患が進行した患者に見られる病態である。GOOは食事摂取が困難で、胃液や腸液の貯留による腹部膨満、嘔気・嘔吐、誤嚥性肺炎などにより患者のQOLを著しく低下させる。近年、GOOに対する姑息的治療として従来の外科的胃空腸吻合術の代わりにSelf-Expandable Metallic Stent留置術が広く行われるようになった。[目的]2010年4月よりWallFlex Duodenal Stent (Boston-Scienific社製)が保険適用となったため、当院における経験から本デバイスの有用性を検討した。[対象・方法]2010年4月から2011年3月までに悪性消化器疾患によるGOOを来たした11例を対象とした。性別は男性8例、女性3例、平均年齢は77.6歳(72-89歳)。疾患の内訳は胃癌9例、胆嚢癌1例、膵癌1例。留置前の癌性腹膜炎の合併は6例。Performance Status(PS)は、2が1例、3が7例、4が3例。GOO Scoring System(GOOSS) scoreは0が3例、1が8例であった。ステント留置後の臨床的効果と合併症について検討した。[結果]全11例(100%)とも留置に成功し、平均留置時間は28.4分(10-72分)。平均観察期間は51.7日(14-195日)で、臨床症状改善例は10例(90.9%)に見られ、食事摂取可能期間は平均44.9日(16-154日)。GOOSS scoreは留置前:0.73±0.47から留置後:2.00±0.89と有意に改善が見られた(p=0.0002)。早期合併症は肝胆道系酵素の上昇が1例、後期合併症はステント機能不全疑いが1例。全生存期間中央値は42日であった。[結論]WallFlex Duodenal StentはTTS法のため留置がより容易となり、臨床症状の改善効果も高いものであった。ステント開存期間については観察期間が短く評価は困難であるが、予後が見込めずバイパスの適応とならない進行癌患者においてQOLの向上が期待できる新たなデバイスと考えられた。 |
索引用語 | 胃十二指腸ステント, WallFlex Duodenal Stent |