共同演者 |
大平 雅一(大阪市立大・腫瘍外科学), 田中 浩明(大阪市立大・腫瘍外科学), 櫻井 克宣(大阪市立大・腫瘍外科学), 木村 健二郎(大阪市立大・腫瘍外科学), 永原 央(大阪市立大・腫瘍外科学), 天野 良亮(大阪市立大・腫瘍外科学), 野田 英児(大阪市立大・腫瘍外科学), 久保 尚士(大阪市立大・腫瘍外科学), 山田 靖哉(大阪市立大・腫瘍外科学), 八代 正和(大阪市立大・腫瘍外科学), 前田 清(大阪市立大・腫瘍外科学), 澤田 鉄二(大阪掖済会病院・外科), 平川 弘聖(大阪市立大・腫瘍外科学) |
抄録 |
「はじめに」StageIV症例に対しては、palliationを除いてinduction chemotherapyの適応となるが、著効例に対しても切除のタイミングやリンパ節郭清範囲などにおいてcontrovercialである。非根治術となった症例では急速に進行することもあり、手術介入のタイミングや症例選択については困難な課題となっている。今回fStageIV進行胃癌切除症例についてretrospectiveに検討した。「対象」1997年から2006年に切除されたpStageIVの189例 (男:120,女:69,26-85歳)を対象とした。「結果」術前化療(NAC)群:(27例,MST:8.5カ月,5生率:3.9%)、ope先行群(162例,MST:13.5カ月,5生率:14.9%)とope先行群の予後は有意に良好であった(p=0.0021)。stageIVとなった因子別の解析では、CYのみ:63例、Pのみ:17例、Hのみ:19例で、各々のMST/5生率は13.5カ月/20.9%、10.5カ月/0%、13.5カ月/11.4%であり、 CYのみの症例は他に比較して予後良好な傾向が見られた。しかしCYのみであってもリンパ節転移個数の増加とともに有意に予後は不良となった。「まとめ」NAC後に非根治術となる症例は極めて予後不良であり、外科的手術介入は避けるべきであると考える。非治癒因子がCYのみでリンパ節転移個数が少数の症例では予後が比較的良好であり、CYのみの症例に対しては積極的な外科的手術介入の余地が十分にあると考えられた。 |