セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-癌4

タイトル 消P-148:

超高齢者胃癌手術症例の検討

演者 浅海 吉傑(福井県立病院・外科)
共同演者 宮永 太門(福井県立病院・外科), 伊藤 誉(福井県立病院・外科), 澤田 幸一郎(福井県立病院・外科), 藤田 麻奈美(福井県立病院・外科), 宮崎 真奈美(福井県立病院・外科), 八木 大介(福井県立病院・外科), 北村 祥貴(福井県立病院・外科), 平能 康充(福井県立病院・外科), 林田 有市(福井県立病院・外科), 前田 一也(福井県立病院・外科), 林 裕之(福井県立病院・外科), 道傳 研司(福井県立病院・外科), 服部 昌和(福井県立病院・外科), 橋爪 泰夫(福井県立病院・外科), 海崎 泰治(福井県立病院・臨床病理科)
抄録 【目的】一般的に高齢者は生理的な臓器予備能の低下がみられ、また術後は胃切除症候群などQOLの低下の可能性など問題点は多くその術式や治療法の決定などにおいて慎重な対応が必要である。高齢者の周術期における問題点を明らかにするためにその特徴や治療成績について検討を行った。【方法】2000年より2010年12月まで当院で胃癌に対し手術を行った85歳以上の34例について臨床病理学的特徴および術前併存症や術後の合併症とその発生頻度、治療成績などについて検討した。【成績】男女比は男性13例、女性21例で早期癌は18例で進行癌は16例であった。病期別ではstageIA14例、IB1例、IIA3例、IIB2例、IIIA1例、IIIB2例、IIIC5例、IV期3例であった。発見動機は有症状例25例、検診発見や他疾患治療中に発見された症例が9例であった。併存疾患は高血圧や虚血性心疾患、肺疾患、糖尿病、脳梗塞など24例に認めた。術式は開腹幽門側胃切除術が15例、腹腔鏡補助下幽門側胃切除術が1例、開腹噴門側胃切除術が3例、胃全摘術が4例、腹腔鏡下部分切除が4例、開腹部分切除が5例、姑息手術が2例であった。廓清度は幽門側胃切除、噴門側胃切除および全摘症例ではD1が18例 D1+が5例であった。術後合併症はせん妄を4例、肺炎3例、無気肺1例、褥創を1例に認めた。肺炎は全例保存的加療にて軽快した。縫合不全や術後早期の腸閉塞、腹腔内膿瘍などは認めず、手術関連死亡は認めなかった。術後在院日数は平均23.8日であった。根治度B以上の症例31例中で術後再発は7例に認めた。【考察】高齢者症例では術前併存症が多く手術術式は根治度B程度の治療が行われていた。術後合併症はせん妄や肺炎が多かったが重症化した症例は見られず、手術関連死亡は見られなかった。術前の耐術能評価はもちろん必要だが上記合併症に留意し管理を行うことで安全な治療が提供できると考えられた。
索引用語 胃癌, 高齢者