セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-治療(化学療法)1

タイトル 消P-151:

癌化学療法における血清Diamine Oxidase(DAO)活性と栄養障害に関する検討

演者 三好 人正(徳島大大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部・消化器内科学)
共同演者 木村 哲夫(徳島大大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部・消化器内科学), 高山 哲治(徳島大大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部・消化器内科学)
抄録 【目的】消化器癌の化学療法中には食欲不振や下痢などの消化管毒性によりしばしば栄養障害を来すが、その客観的評価は必ずしも容易ではなく、またその出現の予測も困難である。一方、Diamine Oxidase(DAO)活性は主に小腸粘膜の絨毛上皮細胞に分布する酵素であり、腸管障害によって血清DAO活性が低下するため、小腸粘膜の変化を鋭敏に反映する指標として注目されている。そこで本研究では、消化器癌化学療法症例の血清DAO活性を経時的に測定し、栄養状態及び消化管毒性との関係を検討した。【方法】切除不能進行胃癌症例のうち、当科で初回治療として行っているDocetaxel+CDDP+S-1の3剤併用化学療法(Takayama et al,Bri J Cancer,2008)を施行した10例を対象とした。血清DAO活性は、Takagiらの方法に基づき、好感度比色法(Clin Chim Acta,1993)により測定した。投与前、投与中、休薬期間後の血清DAO活性と下痢、食欲不振、悪心・嘔吐などの消化管毒性との関係を調べた。【結果】全10例中Grade 2以上の消化管毒性を来した例(A群)は7例、Grade 1以下であった例(B群)は3例であった。治療前、治療中(day 9)及び休薬後(day 21)における血清DAO活性は、それぞれ4.5±2.4U/L、3.2±1.5U/L、3.9±1.3U/Lであり、抗癌剤投与後に有意に低下し(p=0.008)、休薬期間後には回復した。治療中(day 9)の%DAO活性減少率(投与前を基準とする)は、A群で33.4%、B群で-3.4%でありA群で有意に%DAOが減少していることがわかった。【結論】血清DAO活性は、化学療法中の患者における栄養状態の良い指標になることが示唆され、癌化学療法施行例の栄養管理において有用な指標となる可能性がある。また、DAO活性は消化管障害を早期に定量評価しうる指標となることも示唆された。
索引用語 DAO活性, 化学療法