セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-治療(化学療法)1

タイトル 消P-152:

進行、再発胃癌症例における化学療法中の好中球/リンパ球比の検討

演者 池西 一海(済生会御所病院・外科)
共同演者 成清 道博(済生会御所病院・外科), 志野 佳秀(済生会御所病院・外科), 中谷 勝紀(済生会御所病院・外科)
抄録 (背景) 近年末梢血の好中球とリンパ球比(Neutrophil/lymphocyte ratios : NLRs)は癌の再発や予後を反映するマーカーであるという報告が多数認められる。そこで今回我々は進行再発胃癌患者における化学療法中のNLRsと予後について検討した。(対象)化学療法を施行した進行再発胃癌患者で癌死亡した10症例と化学療法を継続している5症例について検討した。(方法)末梢血中のNLRsの経時的な変動を1初診時、2化学療法開始三ヶ月間の平均、3化学療法が施行不可能となった時点、4化学療法中止~死亡期間の平均、5化学療法施行全期間の平均について検討した。また化学療法を継続中の患者と比較検討した。(結果)男性12例、女性3例、平均年齢66歳(54~77歳)、手術を施行した患者は13例であった。癌死亡した症例で化学療法が可能であった平均期間323日(84~546日)でNLRsについては初診時平均が2.87(1.3~4.7)化学療法開始3か月間の平均が2.24(1.1~3.6)化学療法施行不可能となった時点の平均が9.17(4~30.7)化学療法中止から死亡までの平均が9.39(0.5~22.2)化学療法全期間での平均が3.5(1.9~8.3)であった。現在も化学療法継続中の症例で化学療法期間は平均483日(270から828日)でNLRsについては初診時平均が3.06(1.8~4.5)化学療法開始3か月間の平均が1.48(1.1~1.7)化学療法全期間での平均が1.6(1.1~2)であった。(考察)近年癌患者が外来で化学療法を行うことが多くなってきている。投与可能か判断するために臨床所見や血液検査、Performance Status(PS)などをチェックする。化学療法投与不可能となる原因は様々であるが化学療法中の患者でNLRsを検討したところ、NLRsが高値となった症例は予後が短く、抗癌剤の減量や緩和医療へのシフトなどを考慮するひとつの指標となると考えられる。進行再発胃癌患者でのNLRsについて文献的考察も踏まえて症例検討したので報告する。
索引用語 好中球リンパ球比, 化学療法