セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-治療(化学療法)1

タイトル 消P-154:

市中病院における手術不能進行・再発胃癌に対する2次治療の実情

演者 諸橋 大樹(大森赤十字病院・消化器内科)
共同演者 関 志帆子(大森赤十字病院・消化器内科), 西郡 修平(大森赤十字病院・消化器内科), 大塚 由紀(大森赤十字病院・消化器内科), 高橋 昭裕(大森赤十字病院・消化器内科), 濱中 潤(大森赤十字病院・消化器内科), 井田 智則(大森赤十字病院・消化器内科), 太原 洋(大森赤十字病院・消化器内科), 後藤 亨(大森赤十字病院・消化器内科)
抄録 【目的】当院は都内城南地区にある中規模市中病院であり、化学療法の専門医は不在である。手術不能進行・再発胃癌に対する1次治療としてS-1+CDDPが標準治療とされているが、2次治療以降の標準治療は確立していない。化学療法の成績は大学病院や癌専門施設から多数の報告があるが、それとは設備、人員、また、患者背景の異なる中規模市中病院である当院での実情を検討した。【方法】対象は、2006年1月から2011年2月まで当科で手術不能進行・再発胃癌と診断し、化学療法を行った25例(男:女 19:6、平均年齢66.2歳)である。1次治療はS-1、またはS-1+CDDPで、年齢、PS等に応じ選択された。2次治療は、1次治療PDの時点でPS良好な患者に施行した。2次治療へ移行できた症例(移行群)と断念した症例(断念群)について、患者背景、内容、奏効率および1次治療時を観察開始時とする生存率を比較した。【成績】対象25例の1次治療はS-1群16例、S-1+CDDP群9例であった。断念群は20例で、移行群は5例であり、移行群はすべてS-1+CDDP群であった。患者背景では、年齢は断念群69±11歳で、移行群54±12歳より有意(P<0.05)に高かった。断念群は、生存期間中央値7.0ヶ月(1.8~21.5ヶ月)、1年生存率18.1%、奏効率16%で、全て癌死であった。移行群の2次治療はCPT-11 4例、S-1+PTX 1例、3次治療はDTX 2例、PTX 2例、CPT-11 1例で、1次治療開始から平均7.5ヶ月(2.5~10.8ヶ月)で2次治療に移行した。移行群は、生存期間7.2~29.1ヶ月、1年生存率100%、1次治療の奏効率80%であった。また、2次治療開始後の生存期間は4.7~19.0ヶ月、1年生存率66.7%で、2次治療CPT-11 4例のうちSD3例、PD1例、S-1+PTX1例はPRで、現在4例生存中である。【結論】2次治療に移行可能な症例は少なかったが、PSや年齢的に問題がなく、2次治療に移行できた症例は、市中病院でも良好な成績が得られた。今後は移行する時期等の検討が必要と考えられた。
索引用語 胃癌, 化学療法