セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-治療(化学療法)1

タイトル 消P-155:

胃癌腹膜播種症例の検討

演者 藤田 勲生(国立福山医療センター・内科)
共同演者 豊川 達也(国立福山医療センター・内科), 表 静馬(国立福山医療センター・内科), 岡本 明子(国立福山医療センター・内科), 宮阪 梨華(国立福山医療センター・内科), 渡邊 一雄(国立福山医療センター・内科), 堀井 城一朗(国立福山医療センター・内科), 合原 大博(国立福山医療センター・内科), 寺尾 正子(国立福山医療センター・内科), 村上 敬子(国立福山医療センター・内科), 友田 純(国立福山医療センター・内科)
抄録 (目的)腹膜播種を伴う胃癌は予後不良であり、その治療法についても確立されたものがないのが現状である。今回、その長期予後に関わる因子について検討することを目的とした(方法)当院で2004年1月から2009年9月までに、CT検査または手術所見で腹膜播種を伴う胃癌と診断した37例について、ロジスティック回帰分析により、その長期生存に関わる因子について検討した(成績)症例は男性18例、女性19例で平均年齢は63.5歳(36~83)であった。Performance status(PS)は、0が23例、1が11例、2が3例であった。治療開始前にCT検査で腹水が確認された症例は18例で、また肝転移症例は7例であった。平均観察期間は358日であり、胃切除症例は15例であった。化学療法は、主にTS-1が18回、TS-1+CDDPが11回、パクリタキセルが10回、TS-1+ドセタキセルが8回、TS-1+パクリタキセルが5回、CDDP+5-FUが4回投与されていた。長期生存を360日以上生存と定義すると、長期生存例は17例であり、非長期生存例20例であった。年齢、性、PS、組織型、CTでの腹水の有無、肝転移、さらに化学療法についてはその内容を因子として検討したところ、単変量解析にて腹水の有無とPSが有意に長期生存に関わる因子であった。また、タキサン系の使用とCDDP不使用がその傾向にある結果であった。これらについて、多変量解析を施行したところ、PSと腹水の有無が長期生存に関わる有意な因子として検出された。(結語)本研究にて、胃がん腹膜播種症例の長期生存に関わる因子が明らかとなった。しかし治療法の中で、その長期予後に寄与している因子は認めず、分子標的剤を含めた新治療法の開発が望まれ、今後の課題と思われた。
索引用語 胃がん, 化学療法