セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-治療(化学療法)2

タイトル 消P-157:

再発胃癌における、術後補助療法の持つ意味合い

演者 原 拓央(厚生連高岡病院・外科)
共同演者 奥田 俊之(厚生連高岡病院・外科), 尾山 佳永子(厚生連高岡病院・外科), 太田 尚宏(厚生連高岡病院・外科), 加藤 洋介(厚生連高岡病院・外科), 吉田 周平(厚生連高岡病院・外科), 村杉 桂子(厚生連高岡病院・外科), 申 寿東(厚生連高岡病院・外科), 堀口 雄大(厚生連高岡病院・外科), 三輪 武史(厚生連高岡病院・外科)
抄録 再発胃癌の化学療法はS-1+CDDPが標準治療と認識されているが、S-1は術後補助療法としても標準的とされている。したがって再発胃癌においてはS-1が既に使用されている症例が増加し、その対応には一考を要する。当科における再発胃癌の状況について後方視的に検討し、補助療法の持つ意味合いについて考察した。【成績】2001年10月から2010年9月までに当科で経験した再発胃癌は114例で(男性/女性:81/33例)、年齢は42-91歳(平均69.9±9.9歳、中央値70歳)、組織型は分化型/未分化型:52/62例、切除時の病期はI/II/IIIA/IIIB/IV(規約13版):13/33/26/31/11例、少なくとも4週以上の術後補助療法が46%の52例(S-1:39例)に施行されていた。手術から再発確認までの期間は33-4830日(平均567±621日、中央値381日)、切除時の病期I(13例)の症例はII-IVの症例と比較して再発までの期間が長期で(605/350日、p=0.010)、補助有の症例も補助無と比較して長期(456/279日、p=0.045)であった。再発後の化学療法は80例(70%)に導入され(補助有では88%)、50例に2nd line、28例に3rd lineが導入されていた。補助無では1st lineの過半数がS-1 baseであったが、補助有の場合にS-1の使用は限定的であった。全114例の中央生存期間は320日で(1年/2年生存率:47/30%)、再発後化学療法の有無で予後に有意差を認め(有:518/無:112日、p<0.001)、わずかながらも長期生存(5年生存率:7%)が得られていた。再発後化学療法例における補助有無による予後の差は認めなかった(有:463日[1年/2年生存率:61/38%]、無:518日[1年/2年生存率:63/43%]、p=0.59)。【結論】術後補助療法は再発率の低下が第一の目的であるが、再発を免れることができなかった症例でもその時期を遅らせる恩恵があるようだ。また補助療法例は再発時化学療法の選択肢が少ないハンデを負っているが、他の薬剤を使いきることで初化学療法例と遜色ない生存期間を得ることができていた。
索引用語 再発胃癌, 化学療法