セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-治療(化学療法)2

タイトル 消P-160:

実地臨床における根治切除不能進行胃癌に対する一次治療としてのS-1+CDDPとS-1+weeklyCDDP併用療法の後ろ向き比較検討

演者 建持 岳史(済生会横浜市東部病院・消化器センター)
共同演者 江川 智久(済生会横浜市東部病院・消化器センター), 清水 正幸(済生会横浜市東部病院・消化器センター), 入野 誠之(済生会横浜市東部病院・消化器センター), 伊藤 康博(済生会横浜市東部病院・消化器センター), 長島 敦(済生会横浜市東部病院・消化器センター), 山室 渡(済生会横浜市東部病院・消化器センター)
抄録 【目的】SPIRITS試験にてS-1+CDDP併用療法(以下CS療法)の胃癌に対する有効性は示されている。当院では外来治療を強く希望される患者に対し十分なICのうえ、外来化学療法としてのS-1+weeklyCDDP併用療法(以下w-CS療法)を行っている。今回根治切除不能進行胃癌に対するw-CS療法に関する有用性を検討するために、当院におけるCS療法とw-CS療法について比較検討したので報告する。【方法】2007年4月より2010年12月までに当院で施行したCS群(SPIRITSレジメン)15例、w-CS群(CDDP20mg/m2 day1、8 S-1 80mg/m2/day day1-14 3W毎)17例で、全て一次治療例を対象として生存期間、無増悪生存期間、抗腫瘍効果、安全性について後ろ向きに比較検討した。【結果】両群共に患者背景に大きな差は認められなかった。奏効率はCS群が42.9%、w-CS群が58.8%、病勢コントロール率はCS群が85.7%、w-CS群が94%とほぼ同等であった。全生存期間中央値はCS群が205日、w-CS群が352日(p=0.034)。無増悪生存期間中央値はCS群が135日、w-CS群が174日(p=0.113)。観察期間中央値はCS群が196日、w-CS群が352日(p=0.196)。有害事象はw-CS群はCS群に比べ血液毒性、非血液毒性ともに頻度が少ない傾向がみられた。【考察】生存期間に関してw-CS群が有意に長い結果となったが、CS群はリンパ節や多臓器転移個数などより厳しい症例が多くみられ、さらなる詳細な検討を加え報告する。無増悪生存期間はほぼ同等となり、生存期間に関しても満足する結果が得られた。根治切除不能進行胃癌においてw-CS療法は効果、安全性ともに有用な治療法であることが示唆された。
索引用語 進行胃癌, S-1+weeklyCDDP