セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
胃-治療(化学療法)3
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タイトル |
消P-165:手術不能進行・再発胃がん10例に対するPSC3剤併用療法
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演者 |
伊奈 研次(名古屋記念病院・化学療法内科) |
共同演者 |
古田 竜一(名古屋記念病院・化学療法内科), 片岡 孝江(名古屋記念病院・血液・化学療法内科) |
抄録 |
【目的】経口フッ化ピリミジン製剤であるS-1の開発により、手術不能進行・再発胃がんに対する化学療法の成績が向上した。日本ではS-1/ CDDP併用療法が手術不能進行・再発胃がんに対する標準化学療法と考えられているが、20%程度に増悪する例もみられ、さらなる治療成績の向上が期待される。今回、当院でS-1/ CDDP療法にタキサン系抗がん剤であるpaclitaxelを加えた3剤併用(PSC)療法を行ったので報告する。【対象と方法】PS 0-2で臓器予備能が良好な手術不能進行・再発胃がん10症例を対象に、充分なinformed consentを得たあとPSC療法を行った。男性8例・女性2例、年齢52-73歳、全例stage IVで、転移部位の内訳は肺 2例、肝 3例、リンパ節 6例、腹膜 7例であった。投与法は28日を1クールとし、第1日から14日までS-1 70 mg/ mg2(経口)、第1日にpaclitaxel 120 mg2、第14日にCDDP 60 mg2(24時間点滴静注)(2週投薬・2週休薬)を投与し、病変の増悪あるいは重篤な有害事象を認めないかぎり6コース施行を目標に行った。生存期間はKaplan-Meier法を用いて解析し、有害事象はCTCAE v4.0に準じて判定した。【成績】治療回数は3-6クール(中央値 5)、抗腫瘍効果を10例中7例に認め(CR 1例、PR 6例)、PDは1例もみられなかった。10例の無再発生存期間、生存期間の中央値はそれぞれ、373 days (95%CI: 160-573)、747 days (95%CI: 488-1714)だった。副作用は高度の好中球減少を60%に認め (grade 3: 4例、grade 4: 2例)、grade 3のfebrile neutropenia・下痢・食欲不振を1例に認めた。【結論】PSC療法は、抗腫瘍効果が良好で生存期間の延長に有効な治療法であることが示唆された。高度の好中球減少を認めるが、重篤な副作用はみられなかった。 |
索引用語 |
胃癌, 三剤併用療法 |