セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胃-その他1

タイトル 消P-168:

胃酸下におけるステント膜の物理的性質に関する検討

演者 Y.S Kim(高麗大医大・消化器内科)
共同演者 H.J Cho(高麗大医大・消化器内科), H.S Choi(高麗大医大・消化器内科), E.S Kim(高麗大医大・消化器内科), B.R Keum(高麗大医大・消化器内科), Y.T Jeen(高麗大医大・消化器内科), H.S Lee(高麗大医大・消化器内科), H.J Chun(高麗大医大・消化器内科), C.D Kim(高麗大医大・消化器内科), H.S Ryu(高麗大医大・消化器内科)
抄録 背景: 内視鏡術の発達に伴い、胃腸管(GI) ステントの臨床への適用も増えてきた。組織内増殖によるステントの閉塞を避けるため、膜付き自己拡張型金属ステント(SEMS)が開発された。すでに膜付きSEMSは臨床で広範に使用されているが、 酸性の上部胃腸管で蓋膜の性質が悪くなり、膜付きSEMSの機能的損傷を生じ得る。本研究の目的は人工的な酸性環境における膜の成分と構成によるSEMS膜の安定性変化を検討することである。方法: もっとも広く使用される膜付きSEMSの膜の構成物質としてシリコンやポリウレタンが用いられている。15%、 18%、20%濃度で膜の構成物質を用意した。膜付きSEMSを前もって用意しておいた膜の構成物質で作製し、18週間pH 1.2、37℃、100 rpmの 酸性環境下で培養した。3週間ごとに光学顕微鏡と走射電子顕微鏡で表面の変化を観察し、プッシュプルゲージを用いて膜付きSEMSの半径方向の膨張力を測定した。安定性を確認するため、通常の検査装備を用いて膜構成物質の濃度ごとの膜付き SEMSの伸張強度と緊張回復を評価した。 結果:膜の厚さは膜の構成物質の濃度に依存して増加していた。膜面に関する分析では、同濃度のポリウレタンよりもシリコン膜のほうの表面が均質で厚かった。膜の構成物質の濃度が高ければ高いほど表面の均質性は増加していた。人工的胃酸環境で、暴露時間が長ければ長いほど膜付きSEMSのほとんどの性質は減少していた。 シリコン膜はポリウレタン膜に比べて膜付きSEMSの半径方向の膨張、伸張強度、緊張回復においてより優れていた。シリコン膜は膜構成物質の濃度にも比例していた。 結論:高濃度のシリコンは人工的酸性環境下の膜付きSEMSにおいて相対的により安定している。
索引用語 胃酸下におけるステント膜, SEMS