セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胃-その他1 |
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タイトル | 消P-171:上部消化管出血に対する内視鏡的止血術前に行う体外式超音波検査の有用性-腹部CT検査との比較- |
演者 | 尾股 佑(杏林大・3内科) |
共同演者 | 森 秀明(杏林大・3内科), 倉田 勇(杏林大・3内科), 田部井 弘一(杏林大・3内科), 内田 康仁(杏林大・3内科), 川越 圭(杏林大・3内科), 塚田 幾太郎(杏林大・3内科), 土岐 真朗(杏林大・3内科), 本田 普久(杏林大・3内科), 西川 かおり(杏林大・3内科), 高橋 信一(杏林大・3内科) |
抄録 | 【目的】上部消化管出血の患者に対して上部消化管内視鏡検査(EGD)に先行して体外式超音波検査(US)や腹部CT検査が行われる事もある。我々はEGD前にUS及び、CTを施行し、出血源となる疾患と部位の同定についてUS、CT間で比較し、その後の止血術に対してどちらが有用であるかを検討した。【方法】対象は上部消化管出血が疑われた60例。内視鏡的止血術前に全例にUS及び、CTを施行し両検査を比較し疾患、部位の同定につき検討した。【成績】疾患は胃潰瘍24例、胃癌12例、十二指腸潰瘍7例、その他17例(食道静脈瘤破裂、食道炎など)で、部位別には食道8例、胃40例、十二指腸11例、その他1例。食道:食道炎はUSのみ診断可だが、他疾患は両検査共に診断困難。胃:胃癌12例のうちUSのみ診断可6例、両検査で診断可5例、両検査で診断困難1例。胃潰瘍24例のうちUSのみ診断可12例、両検査で診断可2例、US、CTとも診断困難8例、CT(造影)のみ診断可2例。十二指腸:十二指腸潰瘍7例はUSのみ診断可5例、両検査で診断可1例、両検査診断困難1例。【結論】USは食道においては診断困難例が多かったが観察部位が限定されるためと考えられた。胃においては胃癌は壁肥厚などはCTで診断可能だが、USでは壁肥厚と層構造の不明瞭化を観察することが可能であり小さな病変でも診断可能であった。胃潰瘍はCTでは大きな深掘れ潰瘍は診断可能だが、USでは小さな潰瘍でも診断可能であった。十二指腸潰瘍はUSでは壁肥厚、潰瘍底の存在にて診断可能であり、CTと比し診断可能例が多かった。胃十二指腸のUS診断は胃内容物やガスの影響で診断困難例も多かったが様々な工夫にて診断可能な例もみられた。非侵襲性、簡便性に優れたUSは、胃十二指腸の病変についてはCTを凌駕し得ると考えられた。EGD止血前にUSを施行することにより原因となる疾患、部位を同定し得る例も多いと考えられ、有用性が高いと考えられた。 |
索引用語 | 上部消化管出血, 体外式超音波検査 |